聖十のジュラ
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、ナツは真剣な表情で起き上がる。
それを聞いたウェンディが俯いた。
「でも制御するのはここだってリチャードが言ってたよな?」
「リチャード殿がウソをつくとも思えん」
リチャードと行動を共にしていたジュラとアルカが言う。
すると、ティアが心底呆れたように深いため息をついた。
「どーしたんだよ、ティア。溜息つくと幸せ逃げるぞ?」
「そんなの今はどうでもいいでしょ・・・にしてもアンタ達、ここまでバカだとは思いもしなかったわ」
「んだとコラー!」
そしてナツが突っ掛かる。
が、ティアはそれを手で制すと、口を開いた。
「普通に考えれば解る事よ。ここでニルヴァーナを動かすとして、操縦席のないこれを、無人でどうやって動かす訳?操作していたのがブレインだったとして、その方法が遠距離通信系の魔法だったとしても、奴はもう倒れてる。それなのにニルヴァーナがまだ動いてるって事は、結論は1つでしょ」
その通り。
思いつく限りのニルヴァーナ停止方法は全て試し、全てクリアしている。
というのにニルヴァーナは今も重々しい音を立てながら、目的地である化猫の宿へ1歩1歩足を進めているのだ。
「まさか、自動操縦!?既にニルヴァーナ発射までセットされて・・・」
「えぇっ!?それって・・・防げるの!?」
目を見開いたグレイとルーが口を開く。
それを聞いたウェンディとココロはぶるぶると震え始めた。
アランは震えてはいないが、その顔は今にも泣きだしそうに歪んでいる。
「ウソだ・・・そんな・・・」
「私達の・・・ギルドが・・・」
「化猫の宿が・・・みんなが・・・」
目に涙を浮かべるウェンディとココロ。
信じたくないというように俯くアラン。
そんな3人に、ナツが口を開いた。
「大丈夫!ギルドはやらせねえ。この礼をさせてくれ。必ず止めてやる!」
ナツの力強い言葉。
ウェンディ達3人は、そんなナツに期待の目を向けたのだった。
「ニルヴァーナは止まらない」
倒れるリチャードに背を向け、ミッドナイトは歩く。
その口角を、薄く上げて。
「このボクがいる限りね」
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