聖十のジュラ
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「はァ!」
「ぐおっ!」
ジュラが左掌を向ける。
するとガードに使っていた岩が分解され、砕けて出来た複数の岩がブレインへと直撃していく。
しかし・・・ジュラの攻撃はそれだけで終わらない。
「がっ!はぐ!な・・・何だ、これは・・・!?」
ブレインに直撃する岩。
その1つ1つが磁石に張り付く砂鉄のように、ブレインに纏わりついていく。
「・・・!」
「岩で閉じ込めちゃった・・・」
「何するつもりだろ・・・」
声すら零れない程に、ブレインは岩の中へと閉じ込められる。
それを見たルーシィとルーは呟く。
鋭く前を睨むジュラは―――両手を合わせた。
「覇王岩砕!」
「うあ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
ブレインを閉じ込めた岩が中から爆砕する。
回避不能の攻撃に、ブレインは断末魔の叫びを上げて吹き飛ばされた。
(リオンが『さん』付けで呼ぶ訳だ・・・)
プライドが高いというか、自分こそ最強だと思い込むというかな性格のリオンが『さん』付けで呼ぶほどの実力を目の当たりにし、グレイの表情には笑みさえ浮かんでいた。
ルーシィとルーは言葉すら出てこないのか目を見開いている。
「スゲェ・・・何だよ、これ・・・」
「相変わらず強いわね・・・ジュラさん」
「相変わらず?どういう事だよ、ティア」
呆然と呟くアルカは、隣で声を零すティアに目を向ける。
その言葉にティアはゴクリと唾を呑み込んで口を開いた。
「・・・去年くらいだったかしら。私、マスターとギルドマスターが集まる食事会に行ったの。その時ジュラさんも来てて、少し手合わせをする事になったんだけど・・・勝てなかった。あんなに一方的な敗北は初めてだわ」
アルカは目を見開いた。
ティアはギルド最強の女問題児と呼ばれ、実力より先に起こした問題が目立ってしまう為印象が薄いが、その実力は単純な攻撃力だけならエルザと並ぶ(エルザは鎧で防御出来る為、総合的にはエルザの方が強い、とアルカは思っている)。
そして彼女はプライドが高い。己の敗北を己が認めるなんて、ナツが乗り物に乗って酔わないのと同じくらいにありえない事。
(オ、オイオイ・・・ティアが負けを認めるだと?マジかよ!?)
ウソだろー、とか、信じらんねーとか呟きながらアルカはジュラに目を向ける。
ドッと落下したブレインは力なく倒れた。
「やりやがった!コイツ六魔将軍のボスだろ!?」
「あたし達勝っちゃった!」
「うわぁい!やったぁ!」
「やれやれ・・・これで帰れんな。さぁて、次はミラとどこデートすっか・・・」
「随分気楽ね・・・あと1人残ってるのに」
歓喜の声を上げるルーシィ達に対し、ティアは呆れたように呟く。
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