11『錬金釜』
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や村、町などに設置されている。このコード内ではプレイヤーのHPを減らすことはできない。さらに、カーソルがオレンジになった犯罪者プレイヤーは、このコードの《圏内》に入ることができない。なぜならば、オレンジプレイヤーが圏内に侵入しようと試みた直後、プレイヤーをはるかに超越した強さのNPCガーディアンが大挙として押し寄せてきて、犯罪者を追い返してしまうからだ。対抗しようなどと思ってはいけない。その強さは一体がフロアボス一体に匹敵するほどの強さなのだから。
《圏外村》は、その《犯罪防止コード》の安寧に守られていない、いわば無法地帯だ。オレンジプレイヤーの巣窟として使われていることもあり、あまり治安は良いとは言えない。結果として、《圏外村》はボス攻略などの前の準備に使うほどしか使い道がない状態になっている。
「そうか……わかった。感謝する」
「おう。情報量は特別にタダにしといてやるぜ」
ヘルメスはイゾルトの言葉に苦笑すると、ホームを出た。
アインクラッド第二十七層のフィールドに出現するモンスターは、幽霊や妖精系が多い。幽霊系のモンスターには、特殊な武器かもしくは主街区などにある教会で加護を受けるかしないと攻撃できないために、極力遭遇を避けるようにして《パンプキン・フォートレス》付近の《圏外村》に向かう。
《パンプキン・フォートレス》のイベントボス攻略の際には、ギルド《血盟騎士団》のリーダー、《神聖剣》のヒースクリフが直々にヘルメスを駆り出したのだ。そうでもなければ、前線では《詐欺師》と呼ばれて忌み嫌われているヘルメスが、イベントボス攻略をやらせてもらえただろうか。ヒースクリフが実力主義者で良かったようにも、悪かったようにも思うな……と考えながら、ふと気が付くと見覚えのある門が見えてきた。《圏外村》、名を《ランプの村》と言ったはずだ。
「さて、行くとするか……」
ヘルメスは《錬金釜》との邂逅に心躍らせながら、村へと足を踏み入れた。
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