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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十五話
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たのもわずかなメンバーで、あっけにとられて開いた口がふさがらないのがほとんど。あのアスカでさえもポカーンとしているのはある意味新鮮かもしれない。

「相変わらずな娘で申し訳ない……」
「まぁ、いつものことですから何も言いませんけど……まさか用事って『これ』じゃありませんよね?」
「もちろんだ。アリア?」
「はい」

 グレアムが自身の隣にいる、アリアと呼ばれたロングヘアの女性に命じると、彼女は彼にとあるデータチップのようなものを渡す。それを彼はそのままリンディへと渡した。

「なんですかこれは?」
「『暁の交響曲』の情報だよ。私も彼らには煮え湯を飲まされたことがあったからな、個人的に調査していたのだ」
「なっ……よろしいのですか?それほどのものを私に渡しても?」
「大丈夫だ、問題無い。むしろ、私が持つより、君達に託したほうが効率的だと私は感じたのでね」
「はぁ……」

 すると突然、グレアムの表情が強ばった。それと同時に発せられた、圧迫するかのような雰囲気がリンディを襲う。それに合わせて彼女もまた表情を固めた。

「後これだけは言っておくが、それはまだ局の上層部にも報告していない……いや、まだそれができないような内容が多数含まれている」
「そんな貴重なデータを……?」
「中を見れば、君にも意味がわかるはずだ。決して、他言無用で頼むよ」
「……わかりました。ありがとうございます」

 リンディがそのチップを上着の裏ポケットにしまうと、グレアムは表情を和らげ、雰囲気も落ち着いたものになる。

「さて、私はこれで失礼するよ。アリア、ロッテを引きずってきてくれないか」
「わかりました」

 未だクロノから離れないロッテと呼ばれた女性を、アリアが無理やり引き剥がす。

「うわーん、まだクロスケ分を補充しきれてないよぉぉぉぉぉおおおおおお!」
「好き勝手しといて文句言わない!帰るよ!仕事もまだ残ってるんだから!」
「ひーん……」

 襟首を掴まれて引きずられていく様はまるで羊のごとく。

「では皆の者、お騒がせして済まなかった。時間があればゆっくりお茶でもしようじゃないか。あ、リンディ君は後で私の執務室に来てくれ」
「わかりました」
「では、また」

 そして三人は部屋を出た。

「だ、大丈夫?クロノ君……」
「だ、大丈夫だ、も、問題無い……」
「あられもない格好にされて顔中キスマークで大丈夫も何もあるかい。顔洗ってきな」
「ああ、うん……」

 なのはに心配され、アルフに言われ、クロノもまた退室する。精も根も尽き果てたように、フラフラと歩いていく様子は、傍目から見ても大丈夫には見えない。

「さて、今日はとりあえずこのくらいで解散、としましょうか」
「確かに、真面目な話を
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