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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十五話
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導書』とはなんなのですか?」
「闇の書となってしまった魔導書の本来の姿。旅をする資料書、というところでしょうか」
「それを戦うために、いや、破壊のために歪めるなんて……間違ってる」
「フェイト……」
フェイトが怒りに拳を震わせ、アルフが彼女の肩に静かに手を置く。
「まぁそれを今嘆いても仕方ないでしょう。結論は出たことですし、次の議題は?」
「アスカさん……?」
アスカが次へと進めようとする中でなのはが手を挙げると、クロノが指名した。そんな彼女のどこか突き放すような態度に小さな違和感を感じたシャマルだが、ふと名前をつぶやいただけで口を閉ざした。言っていることは間違っていないし、今わざわざ話を止めてまでいうことではないと感じたからだろう。
「そういえば、結局闇の書の闇ってどうなったんですか?」
「あれ……ですか?」
「ええ。一旦アスカさんが魔力として回収したそうなんですけど、リインフォースさんによれば、闇の書そのものの機能を止めたわけではないって……」
「ええ。このままでは、近いうちに必ずまた同じものが出来上がるでしょう。あれはあくまで膨れ上がったものを取り除いたに過ぎない」
なのはに名前を出されたリインフォースが説明すると、クロノが突っ込む。
「では聞きますが、管理者であるあなたにその解決はできないんですか?」
「申し訳ありませんが、書の原型データを今の私は持っていません。製作者もすでに亡くなっている今できることは、管制プログラムである私ごと防衛プログラムをアンインストールすること」
「……どういうことですか、それは?」
リインフォースによると、本来の書の姿に戻す(フォーマットする)ことができれば、防衛プログラムを解除することも可能だという。しかし、それを行うための原型データがとある改編者によって削除されてしまったためにそれができない。それゆえに今の状態は気休めにしか過ぎず、また同じことが繰り返されるくらいならせめて、ということだそうだ。しかし、これを聞いたアスカは途方もない質問を繰り出した。
「そこまでわかっているのなら、原型データがあればフォーマットできるんですね?」
「え?」
「改編者によって遥か過去に失われたはずのデータが今ここにあるとしたら……どうします?」
「あ、あなたはいったい……」
「いや。もしかするとその話、本当かも知れんぞ」
何を言っているんだ、とでも返そうとしたのだろうが、それをシグナムが止める。当然リインフォースは説明を求めた。
「将?いったいそれはどういうことだ?」
「確か半年ほど前に二人の覚悟を聞いた時の話だが、闇の書を元に戻すことがここにきた自分たちの使命だと言っていた。ということはアスカ殿、あなたはそのデータを持っているのでは?」
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