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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十五話
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を正す。

「さて、ここから仕切り直し……というか話題を変えようか。先ほどリインフォースが気になる言葉を残していたのだが」
「ん?何の話だ?」
「『夜天』という言葉だ。あれの意味は?」
「何……だと……?」

 まずはシグナムが切り出すが、それを聞いてリインフォースが驚愕の表情を浮かべた。

「将……まさか本当に覚えていないのか?自分たちが元々何者であったかということを」
「ああ」

 恐る恐る尋ねる。シグナムの答えは是。

「あれが元々闇の書などという名前じゃなかったことすら、わかったのはつい半年前。兄殿とアスカ殿の覚悟を聞いたときだ。それまでは自分たちの存在に疑問を持ったことすらなかった」

 珍しくシグナムが長く語る。リインフォースのためか、己のためか。

「だがこの半年間、私は自問自答を繰り返した。あの二人に言われて気づいたことも多々あった。それらを含め、自分が一体何者なのか、闇の書とはどういうものなのか」

 言葉にして話すという行為の中で、彼女は自分の思考結果を再構築していく。

「私もプログラムである以上、一度組み込まれたデータを気づかぬうちに消去していた、などということはありえない。だから探せば見つかると思ったのだ。少なくとも、自分が一体どういう経緯で生み出された存在なのかくらいは」

 しかし、そこでシグナムは一旦言葉を切り、どこか遠いところに目を向けた。

「でもわからなかった。結局私が出した結論は、今ここにいる私が私であり、なすべきことをなす。それだけの存在でしかなかったこと。長く書の中に存在してはいても、結局稼働時間はその中のほんの数パーセントもない程度だ。そんな私が今必死になって考えても、ただ戦ってきたことくらいしか浮かばない。そういった経験がないから仕方のないことだったのかも知れんな」
「確かに、はやてちゃんが主になるまでは本当にずっと戦い通しだったわね……」
「男の主には体を無理やり求められたりもしたな」
「ええ……」

 シャマルとシグナムがふと思い出したように語る。するとなぜかリンディがいつの間にか部屋の出入り口に向かっていた。

「それが、はやてちゃんの元に来てから、私たちはみんな変わったわ。あなたも例外なくね」
「そうだったか?」
「ええ。まず私たちは人の姿こそしてるけど、人形みたいなものだったじゃない」
「まあな」
「それが、今の暮らしを始めてから、みんな自分の心というものをようやく自覚し始めた。私はそう感じたけど?」
「言われてみればそうだったかも知れないな……」
「アタシもだな」
「あんな穏やかな暮らしは、おそらく生まれて初めてだったように思う」

 二人の会話に、ザフィーラとヴィータが同調する。そんな騎士達を見てどこか和んでいるよ
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