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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十五話
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。腹も減ったし、飯食って帰らな……」

 自ら呟いた一言で、自分の状況を思い出す。

「あれ……そういえば、アスカの中やねんな、ここって。ほな、俺はこれからどこへ向かえばええんや……?」

 現実味が強く、まるでヴァーチャルリアリティの世界にいるような感覚に陥っていたために失念していたようだが、そもそもここは自分が元いた世界とは違う。それを思い出すと、不安や焦燥にかられだす。

「あーるじっ!」
「うわっ!?」

 突然耳元まで響く声とともに、後ろから襲いかかる衝撃。彼にこんなことをしてくる存在など、彼にはただ一人しか浮かばなかった。

「アスカ、お前……」
「えへへ……」

 今の彼には、アスカが突然放り出された中に現れた救世主のように見えた。正面から抱きつき、首筋辺りに顔を埋められても、彼は放り出す気になれなかった。

「……ヒャッ!?」
「うふふふふ」
「お前ドサマギで首舐めんな!」
「えーこれくらいいいじゃないですかケチー」
「棒読みとか怖いんで、ちょっと」
「主がいじめるぅ…」
「どこからそうつながった!?」

 いつの間にか普段のテンション。するとアスカが柔らかい表情を浮かべて体を離す。

「でもよかった。さっきまでの主、どこか辛そうでしたから」
「……辛いっつーか、お先真っ暗つーか」
「ふふふ。でももう大丈夫ですよ?貫かれた体組織は無事修復が終了、後はタイミング次第で外に出れますから」
「っ!……そうだ、闇の書は!?あいつらはどうなったんや!?」
「お、落ち着いて……」

 突然のように思い出しアスカを問い詰める竜二だが、アスカはそれをなだめつつ

「とりあえず、闇の書は現在力を吹き飛ばして沈黙状態になりました。歪な形そのものはまだ残ってますから、その修復作業をしないといけませんが、主が死んだわけではないので、今日明日でどうにかなるものではありませんのでそこはご安心を。暁に関しては、現在は撤退中。ほぼ全員命に別状はありません」
「そうか……よかった……はやては?」
「書に長くアクセスしていた関係で体力を消耗したせいか、現在は眠っているとのこと。じき目が覚めると思いますよ」
「はぁぁぁ……よかったぁ……」

 はやての無事を聞き、竜二はその場にへたり込む。安堵から力が抜けたのだ。

「さて、まだ課題は残っていますが、それは後々片付けるとして、一番の問題が残っています」
「え?何かあったっけ……」
「フレディ・アイン=クロイツが、まだ戻っていません」
「……ヴぇっ!?」

 これに関しては、思わず変な声が出てしまった竜二であった。




 アスカが退室してからも、実際まとめなければならないことが山ほどある。クロノが咳払いをすると、全員居住まい
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