最終話〜エピローグ〜
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ないのかスバルは頭を抑えて悶える。殴った本人であるティアナも若干手を抑えて涙目になっているが、それを誤魔化すように口を開いた。
「あんたがどう思っていようと起こったことは変わらないでしょうが。何もできなかったって言ってるけど、あんたは今回の事で何も得るものがなかったのかしら?」
どこか挑発気味にそう言うティアナの言葉に、半泣きのスバルは首を横に振ることで応答する。
「戦闘機人である彼女たちを保護できたのは無駄なこと?」
スバルは首を横に振る。
「地上で戦線を維持するためにナイトメアやガジェットと戦ったのは無駄なこと?」
スバルは首を横に振る。
「干渉できなかったあの人以外に救えた人はちゃんといた。それは無駄なこと?」
スバルは首を横に振る。
「ならそんなこと言ってる暇があるのなら、今度はそうならないように、自分が救いたい人も救えるようになりなさい」
その言葉に、スバルは首を縦に振ることで答える。まだ彼女は涙目であるがそれは決して痛みから来ているものではなかった。
そして、堅苦しい話をしていることが何かおかしくなったのか、2人は笑いを零した。
「…………何やってんだ、テメーら?」
その2人を探していたヴィータは、今も笑っている部下2人にそう零した。
機動六課・訓練場
投影型空間シミュレーターであるその場所は今、ピンクの色に包まれていた。
それはいつもの教導官の魔力光ではなく、シミュレーターで再現された花びら。なのは達、地球の日本に住んでいた者にとってはお馴染みであり、終わりと始まりの季節に咲く花、桜である。
桜の花びらが舞うその場所に機動六課が誇るフォワード陣営が勢ぞろいしていた。彼女たちは卒業記念としてこれから1つの模擬戦を行おうとしていた。
それは所謂1つの通過儀礼である。
スターズ分隊、ライトニング分隊の隊長陣と新人フォワード陣に別れての模擬戦。しかも隊長陣は部隊の解散と同時にリミッターが外れているため、本当の意味で手加減なしでの真剣勝負。
これは隊長陣が教え子であるスバル、ティアナ、エリオ、キャロの四人を本当の意味で認め、自分たちと並んで戦えると信頼した証でもあった。
流石にはやてと、出向組のギンガは観戦兼審判に回っていたが。
その光景を少し離れた位置で見ている少女がいた。そして彼女の隣は青年が車椅子に座って眠っていた。その青年の首には、菱形のペンダントと鍵を彷彿とさせるペンダントがかかっている。車椅子に寄り添うように立つ彼女は口を開く。
「パパ、皆笑ってるよ」
眠っている青年は当たり前のように彼女の言葉に反応を見せない。だが、それでも構わないのか彼女は言葉を続ける。
「パパが頑張ってくれたお
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