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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 07 「思いあうが故に」
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、人付き合いもあるが他人との距離感を縮めるのが苦手だ。高町達のように積極的に来る子には、どうしても反射的に距離を取ろうとしてしまう。
 相手に失礼だとは理解しているのだが……両親の死などを簡単に言うのも躊躇われる。俺自身の心の傷に影響があるのも理由だが、心優しいあの子達は確実と言っていいほど自分を責めるだろう。自分のことで他人にそういう思いをさせたくない。
 などと思う一方で、やはり俺は自分勝手なのかもしれないと思った。俺は彼女達とはやてのように深く付き合ってるわけではない。自分の予想とは違う展開になる可能性だって充分にあるのだ。それを理解しつつも行動に起こせないのは、自分が傷つきたくないからなのだろう。
 ――でも、今はあの子達とのことよりも優先すべきことがある。残されている時間もあまりない。はやてのためなら、進んであの子達との関係だろうと犠牲にしてやる。

「冗談やからいじけんで。可愛い顔が台無し……いや、いじけた顔も可愛いかもしれんな」
「……ん、あぁそうかもな。……何で驚いてるんだよ?」
「いやだって……ショウくんが自分の顔を可愛いって認めたから。今までは否定してたのに……」

 はやて相手に適当に返事をしてしまったのはミスだった。早急にリカバリーしなければ、ここからの会話および今後の会話で面倒なことが起こりかねない。

「否定しても効果がなかったからな……それに俺も小学生。年上からそういう風に見られるのも事実だからな」
「まあそうやろうね。でもわたしはショウくんのこと可愛いと思うで。お嫁さんにほしいし」
「……今日のはやてちゃんは大胆です」
「嫁って部分にツッコむところだと思うんだけど」

 このふたりは俺の性格を何だと思っているのだろうか。これまでに女の子に間違われたことなんて一度もないのだが……。
 不満を抱いたりしつつも、他愛のない会話は続いていく。はやてとの会話は普段よりも口数が多くなるため、すぐに喉が渇く。一旦飲み物を買いに行こうかと考えた矢先、それを察したかのようにシャマルが口を開いた。

「たくさん話しましたし、喉が渇いたんじゃないですか?」
「確かに乾いてきたかな」
「俺も」
「じゃあ買ってきますね。しばらくの間、おふたりでごゆっくり」

 意味深な口調と顔のシャマルに俺とはやては似た表情を浮かべた。なぜこれまでに何度も否定してきたというのに、信じてくれないのだろう。一般的に考えて俺とはやても、まだそういう年頃ではないはずなのに。
 部屋を出ようとしたシャマルだったが、何か思い出したようでこちらに戻ってきた。その理由は、俺とはやてが何を飲むか聞いてなかったからだ。こういう抜けているところもあってか、彼女のことを恨むことができないのかもしれない。
 再度部屋を出て行こうとするシャマル
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