暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 07 「思いあうが故に」
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いたが、すでに答えには見当がついていた。
 俺は無限書庫で闇の書に関連する情報を集めていた。情報が膨大であるが、専門家とも言えるユーノの協力によって、比較的スムーズに闇の書に関する情報は発見できた。
 だけど……俺のほしいものは今のところ見つかっていない。
 現在分かっている情報は、闇の書が元々は主と共に旅をして、各地の偉大な魔導師の技術を収集し、研究するために作られた収集蓄積型の巨大ストレージ《夜天の魔導書》だということ。闇の書に変わったのは、歴代の持ち主の何人かがプログラムを改変したためだと思われる。
 完成後は、持ち主が闇の書の意志――管制人格《マスタープログラム》と融合することで、闇の書に蓄えられた膨大な魔力データの魔力を行使できる。当然蒐集した対象の魔法も使え、莫大な魔力がある分オリジナルを上回る威力を生み出す可能性もある。おまけにサポートも闇の書の意志が行ってくれるらしい。

 古代の遺産だけあって凄まじいよな……。

 でも……巨大な力を手にしたであろう主達が歴史に残るような事件を起こしている事例がない。無論、完成後の話であり、完成前のことは事件として記録が残っている。
 リンディさんは、11年前は闇の書は暴走したと言っていた。そしてシグナムは、闇の書に内蔵されている自立防衛プログラムが暴走していると言っていた。
 これまでに分かっている情報から導き出される答えは……所有者に選ばれ、蒐集によって魔導書を完成させたとしても管制プログラム・防衛プログラム双方から主として認められなければ真の主としては認められない。
 また防衛プログラムが何らかの理由で破損している。これによって暴走が起こり、主の身体を蝕んでいる。加えて、封印したとしても11年前の事例のようなことが起こっているのではないだろうか。
 この推測が正しかったとすると、防衛プログラムを修復しないまま闇の書が完成してしまうと破滅の未来しかない。
 だが魔力蒐集をしなければはやての身体が蝕まれ、彼女の死が早くなってしまう。ロストロギアのプログラムを修復する手段がすぐに見つかる可能性は極めて低いため、蒐集をやめるわけには……。

「…………でも」

 完成してしまえば、どちらにせよ同じ結果を迎えてしまう可能性がある。いや、破壊する力の暴走があるためこちらのほうが悪い。考えたくはないが、もしはやての未来がひとつしかないとしたら……。
 考えようとした矢先、部屋の扉が開く音がした。視線を向けると、はやてとシャマルの姿が視界に映る。俺の存在を認識したふたりは、笑顔を浮かべながら近づいてきた。

「ショウくん、来てるなら来てるって言うてくれればええのに」
「部屋にいなかったのにどう言えと?」
「ほんと真面目さんやな。挨拶みたいなもんなんやからスルーしてくれたらえ
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