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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 05 「成長と嫉妬」
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 気合と共に最上段から振り下ろされた攻撃は、左手に持たれていた鞘によって防がれた。俺もシグナムのように鞘を持っているが、彼女のような行動はできないだろう。俺と彼女とでは技術に差がありすぎる。
 一瞬の拮抗の後、シグナムは鎌を強引に弾いてテスタロッサを呼び込むと、彼女の懐に蹴りを入れた。テスタロッサはすぐさま体勢を立て直したものの、シグナムはすでに刀身を戻し終えている。

「はあぁッ!」
「でやぁッ!」

 気合と魔力の乗った一撃が衝突し、魔法同士の衝突に負けないほどの衝撃が生じる。それによって、周辺のビルの窓ガラスが次々に割れた。

「…………ふむ。先日とはまるで別人だな。相当鍛えてきたか……前回は動揺がひどすぎたか?」
「ありがとうございます。今日は落ち着いてますし、剣を扱う子とも特訓してきました」
「なるほど……ヴォルケンリッターが将、シグナムだ。お前は?」
「ぇ……フェ、フェイト・テスタロッサです」
「テスタロッサか……こんな状態でなければ心躍る戦いだっただろうが、今はそうも言ってられん」

 シグナムは剣を鞘に納めながら左腰付近に引き付ける。抜刀術で用いられそうな構えだ。

「殺さずに済ませられる自信はない……この身の未熟を許してくれるか?」
「構いません。勝つの……私ですから」

 テスタロッサは怯えるどころか、強気な笑みを浮かべてみせた。
 本当にこの前とは別人だ。先日と違って動揺がないのも理由なのだろうが、何が彼女をあそこまで強気にするのだろう。
 カートリッジシステムの搭載によって戦闘力の差が埋まったから……ってのもあるんだろうけど、それは理由のひとつでしかないよな。特訓したってのもあるだろうけど、シグナムとの技術差が完全に埋まるはずもない。

〔マスター……大丈夫?〕
〔……大丈夫って、俺は戦ってないだろ〕

 ファラは何を当たり前のことを聞いてきているのだろう……いや、本当は彼女が何を言いたいのか分かっている。
 人は見た目や性格、才能に至るまで違う。俺にできることを高町達ができなかったりするだろうし。高町達ができることを俺はできなかったりするだろう。こんな当たり前のことは、きちんと理解している。
 だがそれでも……あの子達の成長速度は異常だ。才能の違いもあるだろうが、それだけではあの速度は説明がつかない気がする。いったい俺と何が違うんだ……。
 他人に嫉妬めいた感情を抱くことなんて、両親を亡くしたばかりの時期くらいしかなかった。今それを抱いてしまっているのは、俺が強くなりたいと思ってしまったからなのか。思ってしまったばかりに、自分の無力さを感じてしまっているのか。
 そんなことを考えているときだった。
 眩い光が戦場を走る。視界はゼロになり回復したときには、シグナム達
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