As 05 「成長と嫉妬」
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い。修理を担当した技術者は何を考えているんだ……。
「……いや」
いつかはカートリッジシステムを搭載したミッド式のデバイスも登場するだろう。それにおそらく、技術者ではなくデバイス達から自分のマスターを守るために申し出たのだろう。
今日襲撃がなければ、安全管理の下でテストが行われていたはずだ。誰が悪い、おかしいといった考えは間違っている。
もし自分のデバイス――ファラに搭載されていたとしたら……そんな風に考えるだけで背筋が凍る。
高町は今日レイジングハートを受け取ったはずであり、増援のタイミングからしてぶっつけ本番でシステムを試したはず。
俺にはそんなことはできそうにない。ほんのわずかなミスでファラを吹き飛ばすかもしれないのだ。自分の手でファラを傷つけたとしたら……正気を保っていられる自信はない。
「この……!」
「簡単に倒されちゃうわけにはいかない!」
このままではらちが明かないと判断したのか、互いに新たな魔法を発動させたようだ。その証拠に爆煙が生じた。
煙の中を交差するように移動したふたりは上昇していった。戦闘経験が豊富なヴィータのほうが次の行動の決定が早いようで、多数の鉄球を出現させて打ち出す。
それを高町が目視すると、彼女のデバイスから薬莢が連続で排出された。次の瞬間、高町の周囲に二桁に上る魔力弾が生成される。
「アクセルゥゥシュート!」
一斉発射された桃色の魔力弾は、迫り来る鉄球に次々と命中。火花が咲いたかと思うと、一際大きな爆発が発生した。その衝撃は凄まじく、距離の離れたここまで空気の振動が伝わるほどだった。
高町はヴィータに再度話しかける。何を話しているかまでは分からなかったが、ヴィータの顔色に罪悪感のようなものが見えたあたり、高町に真っ直ぐな思いをぶつけられたのだろう。
だがヴィータもはやてのために動いている。ここで何もかも話したり、行動をやめるわけがない。その証拠に、高町に抱いた感情を掻き消すかのように大声を上げながら再度突撃して行った。
「…………」
高町とヴィータの勝負は拮抗しているため、意識をテスタロッサの方へと変える。空中で金色と薄紫色の閃光が、高速で何度も衝突していた。
「ッ……!」
切り返しと同時に複数の魔力弾がシグナムへ向けて放たれる。しかし、シグナムはそれを見切り、無駄のない動きで剣を鞘に納めた。見間違いでなければ、納める間際にカートリッジがリロードされている。
「ふ……!」
抜刀された剣は鞭のように伸び、テスタロッサへ向かっていく。不規則に見える軌道に回避しづらいと思われたのだが、彼女は持ち前のスピードで見事に回避。デバイスを鎌状に変形させ、刀身が戻る前に接近して行く。
「はあぁぁッ!」
「……くっ」
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