As 05 「成長と嫉妬」
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気づく。それとほぼ同時に、懐に隠れていたファラから結界が張られていると報告が入った。
結界の術式は古代ベルカ式。シグナム達が誰かを襲おうとしているということだ。
今度は誰を、なんて考えるまでもない。この街で蒐集できる対象は俺とリンディさんだけだ。協力関係を結んでいる俺が狙われるわけもなく、またリンディさんは次元震を抑えるほどの実力者だ。シグナム達の今回のターゲットはリンディさんで間違いない。
「マスターどうするの?」
ひょこっと顔を出して問いかけてきたファラに、俺は淡々と返事を返す。
「どうするも何も……リンディさんを守るって選択肢しかないだろ」
俺は管理局の協力者だ。そして、シグナム達との繋がりを知られるわけにはいかない。
彼女達と敵対したくはないが、現状でリンディさんを助けに行かないのは不自然な行動になる。すでにシグナム達の内の誰かと相対しているのならば別だが。
ファラを起動した俺は、リンディさんの魔力反応を探して移動を開始する。
とあるビルの屋上にリンディさんはいた。彼女の前方にはシグナムが剣に手をかけた状態で滞空している。
「ちょっと話いいかしら?」
「……話?」
「闇の書のシステムの一部。自らの意思と実体を持った無限再生プログラム《守護騎士ヴォルケンリッター》」
リンディさんの発言にシグナムが表情を変えたのと、俺がリンディさんの近くに降り立ったのはほぼ同時だった。俺の姿を視界に納めたシグナムは一瞬目を見開いたが、すぐさま鋭い視線をこちらにも向けてきた。
「ショウくん……どうして」
「簡単に言えば、巻き込まれたか一網打尽にされたってところでしょうね」
「……そうね。狙われるのは私か君しかいないものね」
リンディさんの意識が再びシグナムへと向く。手にカード型のデバイスを持っているのに起動していないのは、先ほど言っていたように話があるからだろう。
リンディさんが会話を試みるのならば、俺は黙って待機するべきだろう。上の立場の人間の決定に従うという意味もあるが、彼女のする会話で得られる情報もあるはずだ。
俺はシグナム達にはやてを助ける術を探すとは言ったものの、あのときは色んな疲労で詳しい話をできなかった。頻繁に連絡を取り合うわけにもいかないため、魔力蒐集と主を守るための存在という情報を頼りにロストロギアが何なのか調べるしかなかった。結果は全く進展なしとしか言えない。
だが今日、ロストロギアの名前が《闇の書》だということ。シグナム達がヴォルケンリッターと呼ばれる存在だということを知ることができた。この情報があれば、情報の検索もしやすくなる。これまでの主がどうなったのかを調べれば、魔力蒐集以外にはやてを治す術が見つかるはずだ。
シグナムは構えはしているものの、一向
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