第40話。変人と七つ夜。
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「いやな。これには事情があってだな。」
俺の手を取るさっちん。
「じ・・じ・・ジス?・・・・警察に行こ。晋吾くん。」
「自首な。真剣な顔が台無しやがな。」
このあと、結局タタリの細かい説明をするまでさっちんの疑いは晴れなかった。
・・・・これは八つ当たり決定やな。
まぁ、一番有効なのは夜に彷徨くことだろう。との結論に達し、二人で夜の街を徘徊。
「うがー。今日は月が雲で隠れてるわ。」
「晋吾は月が好きなのですか?」
「うん?まぁ嫌いじゃないで。この世界では月は『死んでる』らしいけど、綺麗なものには変わりない。」
「いやはや。」
街灯の届かない暗闇から声がする
「月は『死んでる』から綺麗なのさ。この世で一番綺麗な顔って奴だよ」
「『綺麗な顔してるだろ。死んでるんだぜ?』ですか。達ちゃんか己は」
学ランを着た、遠野志貴によく似た顔をしながら、雰囲気が全く異なる男。七夜志貴。
いきなり厨二語録が入りました。一番綺麗な顔は、死に顔らしいです。流石七夜さん格が違う。
「月が見えぬ夜にこんばんは。その銀色の魂に惹かれて来てしまったよ。」
「会いたく無かったわ。正直、俺らの相性は最悪やろ」
「そうだね。この素晴らしい『眼』をもってしても視ることが叶わない君の死を、その魂の輝きを潰せないなんて、全くダメだね俺。最高の死を創れないなんて」
「そう言う意味やないんやど・・話が噛み合わんのも物語ってるわな。」
クックックと声を殺すように笑う七夜。
「正直、君と会えた時点で終わりだろうさ。でも・・少し殺し合いしてもいいだろ?死ぬんなら、派手に逝きたいんでね?」
「俺は正直ヤル気ないがの・・・・」
いくらなんでもシッキーと、友人とそっくりな顔を持つある意味同一人物と殺し合いなんて、出来ればしたくない。
まぁ、適当に戦闘不能にすればいいか。とりあえず、四肢全部折っとけば大丈夫か?
「なになに。俺には使徒様を本気にさせる魔法の言葉がある。」
何を言ってるんだこいつは?
「音もなく忍び寄る。ただコロシタイその衝動に身を任せ。金色の姫。その美しい首に刃を入れる。その肉の感触に心が焦がれる。その骨の感触が脳を焼く。赴くままに刃を走らせる。赴くままに骨を断ち肉を切る。見下ろした先にはキレイナ17のニクヘン――――」
奴の声が続くたび、血の気が下がる。ただコロシタイ衝動だと?バカを言うな。
俺が貴様をコロシタイ。
「シオン。こいつを持ってろ」
「晋吾?」
シオンに『相棒』をあずける。奴は俺を『本気』にさせると言った。
「・・・・
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