第一章
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のでした。
韓国人の中の戦争犠牲者の中から日本政府に対して謝罪と賠償を求めるという裁判を起こす原告を探すというものです、この運動は大体この頃からはじまっていますがその背景についてはこう言われています。
当時共産圏の崩壊が誰の目にも明らかになろうとしていました、東西ドイツは統一に向かい東欧諸国は次々と民主化していきました。共産圏の総本山ソ連も危機的な状況に陥っていることが公にされていた頃です。
共産主義とは何なのか、どういった思想であり政治システムであるのか、そのことが明らかになってきていた頃です。共産主義とは実はナチズムと変わらない全体主義でありソ連もナチス=ドイツと同じタイプの国家であることがわかってきていました。
つまりここで資本主義対共産主義のイデオロギー対立に決着がつきました。共産主義は決して全ての人を幸せにはしない、それどころか多くの人を殺しかねない代物であることがわかってきたのです。
このことに日本の左翼勢力が非常に、それこそ覆せないまでの打撃を受けたことは言うまでもありません。何しろ彼等の崇拝し崇め奉っている存在がユートピアではなく監獄国家であると露呈してしまったのです。
日本の左翼勢力はこの変化、激変と言ってもいい状況に打つ手を未来、現実政治にも経済にも見出すことは出来ませんでした。共産主義での政治及び経済の仕方で東欧諸国もソ連も絶望的な状況に陥り西側諸国と比べると貧富の差どころかお話にならないまで発展していなかったのですから。それは東西ドイツで残酷なまでに出ていました。同じドイツであるのに東側の優等生と言われた東ドイツと西側で最も立派だと言われた西ドイツの差は東ドイツの市民が西に行ってガムやバナナを家族で夢を見ている様な顔で口にしていることに出てしまっていたのです。
これでは左翼勢力は何も語れません、政治も経済も。現在のことと未来のことは何も語れなくなりました。しかし彼等はこれで終わった訳ではありませんでした。
彼等にしてみれば何としても生き残らねばなりません、それで目をつけたのは過去です、過去の歴史についてでした。
歴史を学んだことのある方ならお聞きになられたことがあるかも知れませんが唯物史観というものがあります、所謂マルクス主義的歴史観です。共産主義はあらゆる学問をその思想の下に置こうとする傾向が強くそれは歴史学にも及んでいたのです。尚このことは教育学や法学にも及んでおりこのこともまた慰安婦の件に深刻な影響を及ぼしたことを前以て書かせてもらいます。
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