第百三話
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第百三話 シーフード
魚屋に来た、そこでだった。
華奈子はまず烏賊を見て美奈子に問うた。
「よくない?」
「烏賊ね」
「ええ、これ入れない?」
「いいわね」
はっきりと答えた美奈子だった。
「確かにね」
「いいでしょ、烏賊も」
「ええ、それで私はね」
「美奈子は?」
「これね」
こう言って出してきたのは帆立だった。
「これ入れましょう」
「帆立もいいわね」
「そうでしょ、それとね」
「それと?」
「海老もね」
美奈子は笑顔でこれも出した。
「入れましょう」
「海老ね、いいわね」
実は海老は華奈子の大好物の一つだ、それで美奈子の今の言葉に明るい顔になりそのうえでこう答えたのだった。
「それじゃあそれもね」
「ええ、海老も入れてね」
「他には何を入れるの?」
「お魚も入れましょう」
美奈子は笑顔で華奈子の言葉に返した。
「そちらもね」
「お魚ね。何を入れるの?」
「鱈がいいかしら」
美奈子が出した魚はこの魚だった。
「癖がなくて食べやすいから」
「そうね、鱈ならね」
「いいわよね」
「ええ、いいと思うわ」
華奈子は魚もよく食べるが鱈も好きだ、それでこう答えたのである。
「じゃあそれも入れて」
「烏賊、帆立、海老に鱈に」
「それ位でいいかしら」
「もう一つ欲しくない?」
「ううん、じゃあ」
ここで華奈子はちらりと目に入ったものを言った、それは何かというと。
「蛸とか?」
「蛸に烏賊ね」
「それでどう?」
「そうね、私達の家皆蛸も好きだしね」
「じゃあ蛸ね」
「ええ、それも入れましょう」
こうして蛸も入れることになった、こうしてだった。
シーフードカレーに入れる海の幸が決まった、だがそれで二人の買いものは終わりとはならなかったのだった。
第百三話 完
2014・2・4
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