暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第六十七章 強くあるために《3》
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
依を行う必要など何処にも無い筈だ。
 無理に憑依を行って起きる現象は、暴走やその他の損にしかならない現象だけだ。
 仮に憑依出来たとしても、身体を乗っ取ることは不可能。憑依出来るということは、宿り主の身体と精神が強いことを示しているからだ。
「なあ、奏鳴。暴走に似た感覚、他でも起こったか」
「似た感覚……? そうだな、正式に宿り主……となる、政宗を握った時に」
「あの時に、か。――まさか」
 目を見開いて、奏鳴に向けていた顔を再び竜神の方へと向けた。
 分かった。
 何故、竜神がわざわざ憑依し、暴走を誘発させたのか。
 奏鳴が流魔と繋がりが強いのは間違いない。その代わり、竜神の血がその身に流れている。
 血といえど神の血。奏鳴自身の血より圧倒的に多い竜神の血であるため、世界はそれ自体が憑依と捉えた。
 奏鳴が竜神を宿し、家族や黄森の者達に手を掛けたのは自身の血による暴走。神人族と言えど人に変わりは無い。
 身体が神の血に耐え切れず、変調をきたし、暴走を起こした。
 初め、竜神は自身の血が暴走を起こすなど思ってもいなかった筈だ。神にとって人は眼中にないのだから。
 しかし竜神自身の血によって暴走し、家族を殺めたことを知った竜神はこう思った筈だ。
 血によって宿り主が狂い、いなくなっては困る。
 思った竜神は事態の解決を、憑依を無理矢理行い、奏鳴に自身の血を無理にでも慣れさせることで宿り主を失わないようにした。。
 その身に竜神を憑依させ、身体に竜神の全てを慣れさせるということを行ったのだ。
 定期的に行った結果、奏鳴の心身を疲れ果てさせてしまったのだろう。
 よって奏鳴に起きた暴走は二種類。
 自身の身に流れる竜神の血によって起こった暴走と、竜神が奏鳴に自身の全てに慣れさせるために憑依したことによって起きた暴走。
 身体が支配されたいた、という感覚は、竜神の血によって身体の自由が利かなかったために違いない。
 多分、余命五年という短命なのも、竜神関係のせいなのかもしれない。他の竜神の宿り主はどうか分からないが、竜神は強い者を好むため、憑依に似たものを他の宿り主にも行った可能性がある。
 竜神の宿り主となった者が短命なのは、奏鳴と同じ、自身を慣れさせ、存分に力を振るえる宿り主とするため。その反面、余命を削る結果となった。
 そう考えると奏鳴の父親は、相当の実力者であることが伺える。
 状況から考えるに、竜神の憑依による暴走とは考えにくい。竜神は今、現実空間に存在するためだ。
 憑依を行ったならば存在しない筈のため、残る原因はただ一つ。
 竜神の血による暴走。それによる暴走の解決方とは――。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ