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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第六十七章 強くあるために《3》
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の戦闘艦の主砲では到底敵わない程の。
「神々しい光だ。まさに神が魅せる神秘っ!」
「兄ちゃんうるないから黙ってて」
「照れるな妹よ。私達は血の繋がった家族。ゆえに結ばれることは許されないのだ」
「変態なんだか常識人なんだがよく分からないんだけど」
「変態紳士! 皆からはそう呼ばれている」
「あのね兄ちゃん、それは馬鹿にして言ってるんだかんね? 解ってる?」
「皆、この私に嫉妬の眼差しを向けているのだ。気にすることではない」
 と話しているのは、兄妹の関係であるグレイとテイルだ。
 西貿易区域の南側で他の学勢と共に、長と長との戦いの行方を見ていた。
 彼らの今の戦況は休戦状態。黄森の者達らが天桜の長が戦い始めた時から、徐々に攻めるのを弱め、何時の間にか戦いの息吹きは消え去っていた。
 自分達の長が宇天の長に勝てば、戦況がどんなに傾いていも勝てる見込みがあったのだろう。
 辰ノ大花と日来が敵に回ってはさすがの黄森でもかなりの戦力が必要だ。ここで浪費するのを防ぐためにも、戦わないという選択をしたのだ。
 テイルは竜神と麒麟の戦いを見て一言。
「世界に出るとあんくらいの敵とも私達、戦うことになるんだよね。それも国を動かす戦いに」
 妹の言葉を聞いて、兄のグレイは話しに乗っかり、
「どうしたんだい? 急に弱音を吐いて」
「不安になっちゃってさ。戦えるのかなって」
「不安になるのも無理はないな」
 離れていたトオキダニが会話に加わる。
 二人はトオキダニの方を向き、彼の話しを聞いた。
「オレは機竜系破族ゆえに渡り合える敵の幅が広いが、お前達二人は人族だ。系術、ましてや加護が無ければ実力差で負ける」
「分かってるよ。だから不安になっちゃったんじゃん」
「なら今からでも日来から離れるかい?」
「嫌だね、仲間裏切りたくないもん。それに私達の恩返しでもあるからさ」
「そうだね。不安はあるが、心配はいらない。何故ならばこの私が付いているのだから!」
 両手を手に広げ、無駄に大げさな仕草で格好付けた。
 ウケはあまりよろしくない。
 トオキダニはグレイがツッコミを期待しているであろうことを察したので、付き合い切れないと明後日の方へそっぽを向く。対するテイルは半目で兄を見詰めた。
「いやあ、私の兄ってある意味凄いと思うわあ」
「誉め言葉に買い言葉だな」
「は? 意味分かんない」
「冷たい妹もいいものだ。心を清らかにしてくれる」
「さすがは変態紳士。名付けた人天才だよ」
 昔は今とは違い、少しは正常な兄だった。
 きっとあの時の出来事で傷付いた自分を想って、悲しくさせないためにああなったのだ。理解している。だけど、感謝の意は述べない。
 まだ言うには、自分の方からは何もしていないから。
 何時か伝える日が来るだろ
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