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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
16弾 雨に濡れた殺意
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割られたのよ!あんたこそどうしたの!」

 俺の頭を指すアリア。

「運転手が負傷して――――今、武藤にメットを貸して運転させてるんだ!」

「危ないわ!どうして無防備に出てきたの!なんでそんな初歩的な判断もできないのよ!」

 『おまえが心配だったからに決まってるだろうが!』と言う言葉を飲み込んで、俺は耳をすませてアリアの声を聞く。

「すぐに車内に隠れ――――後ろっ!伏せなさい!何やってんのっ!」

 アリアは突然2丁拳銃を抜き、真っ青になって俺に突進してきた。

 ――――何が起きた?

 事態が把握できず、背後を振り返ると――――

 今度はバスの前方に陣取ったルノー・スパイダーの上の銃座に載っているUZIから、銃弾が放たれるのが見えた。

 俺の顔面めがけて。

 飛んでくる。

 銃弾が。

 ――――死んだ。

 本気でそう思った。

 ルノーに応射しながら、アリアが――――

 スローモーションのように、その小さな身体で俺めがけてタックルしてきて。



 バチッバチッ!!



 被弾音が、2つ。

 視界に鮮血が飛び散った。

 ――――が、痛くない。

「ア、リア……?」

 ごろごろ、とアリアはバスの屋根の上を転がり、側面に落ちていった。

 アリアが転がった所についた鮮血の跡が、雨水で流れていく。

 脳裏に、あの光景がフラッシュバックする。

 閃くフラッシュ。放たれる弾丸の音。飛び散る鮮血。徐々に温度を失っていくあいつの身体。

 今の状況は、驚くほどあの時と酷似していた。

あいつが――――キンジが死んだ時と。

「アリア――――アリアあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 渾身の力を込めて、アリアに繋がるワイヤーを引っ張る。

 ルノーは速度を落とし、側面に回ってきた。

 いいだろう。折角そっちから来てくれたんだ。跡形もなくぶっ壊してやる。

 俺の中からどんどん黒い感情が溢れ出てくる。(ころ)せ、(ころ)せ、(ころ)せ、と。

『そうだ、殺してしまえ。汝が気にいらないすべてを、汝が憎いと思うすべてを、汝が殺したいと願うすべてを。殺しつくしてしまえ』

 全身の血が狂ったように流れる。心臓のあたりが焼け付くように熱い。

 殺す。殺す。殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロス――――

 殺して殺して殺しつくしてやる。

 そんな俺の意識を無理矢理に引っ張り出してのは、かすかに感じた違和感だった。

 ルノーはもう、側面にいる。今撃たれれば、俺たちはアウトだ。なのに、相手は撃ってこない。

 一瞬にして正気に戻った俺は、ルノーの車内をよく
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