暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
3.後ろではなく
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どよ」

 バンバンとモヤシさんの背を叩きながらドヤ顔で言うリックさん。
 っていうか、此処って確か《犯罪禁止(アンチクリミナル)コード圏内》じゃないらしいから、あれでもHP減るんじゃ……?
 わたしがそんなことを考えていると、その人に向かってキリュウさんが言った。

「……嘘ではない。確かに俺は、ソードスキルを使うロウアー・ゴブリンと戦った」
「で、でもっ」

 モヤシさんが何かを言おうとしたのを、クラウドさんが片手を上げて遮った。

「ちょっと待ってくれ。もしかしたら、今の情報は凄く重要かもしれない」

 クラウドさんが指摘したのは、さっきの金髪ポッチャリさん――ボルグという名前らしい――の言ったことだ。 
 先ほどボルグさんが言った、大げさなクエストのわりには敵が少な過ぎる。何かあると思ったほうが良い、という発言。
 はじまりの街からこのエウリア村の周辺まで、普通ならばソードスキルを扱うMOBは居ないらしい。
 少なくてもベータ時代はそうだったと、モヤシさんが鼻息荒く言ってた。
 もしも通常ではこの周辺には現れない亜人型MOBが大量に襲ってくるのだとしたら……。
 それは、未だソードスキルを扱うMOBとの戦闘に慣れていないプレイヤーには、かなり不利な戦いになるんじゃないかと思う。
 そうして話し合った結果、その可能性が高いという結論になり、全員がキリュウさんから《ロウアー・ゴブリン》の特徴と戦い方をレクチャーしてもらった。
 みんながキリュウさんの言葉に頷きながら聞いている様子を見てると、別にわたしが何かしたわけでもないんだけど、なんか得意気な気分になるね。
 ……ちなみに、ベータテスターだというモヤシさん――ネルソンさんは、その後は黙ったままだった。
幼馴染だというリックさん(超ビックリ!)が言うには、先ほどはつい叫んでしまったようだが、普段はヒッキーも逃げ出すほどのすっっっごい人見知りなんだという。ポッチャリさんは「……けっ。テスターだってぇのに、宝の持ち腐れだな」とネルソンさんをずっと睨んでいた。何かベータテスターに特別な感情があるのかもしれない。知らないけど。








 モンスター襲撃までの残り時間【0:58】
 残り、一時間を切った。

「……そろそろ、移動した方が良いな」

 クラウドさんがポツリと言う。
 いつの間にか仕切り役がリックさんからクラウドさんに代わってるけど、それに突っ込む人は居ない。……まあ、正確にはわたしが心の中で突っ込んでるんだけどねっ。
 そうして村長宅のリビングに居たプレイヤーが、ぞろぞろと外に移動する。

 ――あれ? そういえば、キリュウさんて説明会以降発言してないッスね。

 キリュウさんを見ると、なにやら地図を見な
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