暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
3.後ろではなく
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少ないな……」

「は? ……はあああ!?」




 そんなキリュウさんがしれっと呟いた言葉に、今までの雰囲気をぶち壊すくらい全員が呆れたように驚愕した。

 ――って、うお――いっ! あれが少ないってどういうことッスかー!?

 確かに一面を埋め尽くすって程じゃないかもッスけど、何十匹というモンスターが集まってこちらに向かって来てるっていうッスのにっ!
 …………ってあれ? 何十匹(・・・)

「……よく見てみろ。モンスターの数は五十よりは多いかもしれないが、明らかに百も居ない。左右の門のどちらに来るかは解らなかったが、分散している可能性が高いな」
 
 キリュウさんの言葉を聞いて、あたしたちは改めてモンスターの大群を見る。
 ……本当だ。確かに多いは多いけど、最初に聞いていた二百匹という数にはどう見ても見えない。
 ということは、左右の門にそれぞれ分かれて襲撃してきたってこと?
 じゃあ今ごろ反対の門は、二百匹からわたしらの目の前のモンスターの数を引いた数が向かっているってことなの?

「……ん、じゃあ、クラウドたちが守ってる門の方に残りが行ったっつぅのか?」

 リックさんが、声を搾り出す、といったようにわたしが思ったことをそのままキリュウさんに訊いた。

「……それ含めて先ほどメッセージを送ったが……今、返信が来た。……む、向こうにもどうやらモンスターが現れたようだが、どうもその数も百匹は居ないらしいな」

 既に向こうと連絡を取っていたというキリュウさん。……あ、さっきウィンドウ操作してたのはそれか!

 ――ってあれ? 向こうも百匹居ない? どういうことだろう?

 最初の情報では、モンスターは二百匹ということだった。NPCが言ったことだから間違いは無いと思ってたんだけど、そうでもないのかな。
 でも、はじまりの街でNPCに聞いたこの村への道の情報も微妙におかしかったし……。
 NPCの言う事も絶対じゃないのかな。と、そんなことを考えてしまうわたし。
 だから、次の瞬間はホントに心臓止まりそうになるぐらいビックリした。

「――ルネリー! レイア! チマ! 来るぞっ……交戦準備!」
「!? ……ひゃ、ふぁいっ!」

 前を見れば、キリュウさん越しの100メートル向こうには既にモンスターの群れが来ていた。あと一分もしない内に戦闘が始まりそうだ。
 わたしは再びキリュウさんの背中を見る。また心が落ち着いてくるような感じがした。
 思えば、出会ってから今までずっとこの背中を見てきた気がする。
 そして、その背中に何処か安心感を抱いていた。その安心感を何故感じたのか。今なら解る気がする。
 わたしがキリュウさんの背中を見ているということは、当たり前のことだけどキリ
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