SAO編
第一章 冒険者生活
3.後ろではなく
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だろう? それに、ただベータ期間中にフラグが見つかってなかっただけ、とも考えられる……」
――大規模戦闘クエスト……。ん〜、名前からして嫌な予感しかしないッスねぇ。
「ちっ……おい、おっさんっ。魔物の群れとやらの数はどれくらいなんだ?」
赤髪ロンゲさんが舌打ちしてからNPCのおっちゃんに訊いた。
「え、ええと、報告によれば二百匹ほどだと……」
「!?」
おっちゃんが言ったその数に、一部を除いたプレイヤーたちが驚愕に絶句する。
正直、わたしも驚いた一人だ。
――うぇ〜無理ッスよ無理ィ! ようやく五匹同時襲撃に慣れてきたと思ったのに、二百匹同時なんて勝てるわけ無いッスよー!? いくらなんでも増えすぎッス!
と、そんなわたしの肩に手を乗せる人物がいた。我らがキリュウさんである。
「……問題無い。此処には二十人のプレイヤーが居る。一人十匹倒せばいいだけだ」
「あ……た、確かに……」
思わずわたし以外のプレイヤーもキリュウさんの言葉に納得してしまったようだ。此処ら辺のモンスター十匹程度ならまあギリギリ何とかなるんじゃないかなぁと思ってしまった。
「……そう簡単にいくか?」
そうキリュウさんに向けて言ったのは、金髪サラサラヘアーの――――オタクっぽい太った男の人だった。
「俺はベータテスターじゃねぇが、テスターのSAOスレは暗記するほど読みまくったぜ。はっきり言ってSAOのサドさは誰もが愚痴るレベルだ。通常フィールドでさえ一箇所に百匹を超える湧出が出ることもあるらしいしな。まあ、その大抵が何らかの罠だったみたいだが……。それからすれば、襲ってくるのが二百匹しかいないなんてレイドクエだっつぅわりには敵が少な過ぎる。……何かあると思ったほうが良いと思うぜ?」
――眼つきわっるぅ……。
なんであんなに世の中舐めきってますー、みたいな荒んだ目をしてるんだろう。
というか、通常フィールドでも百匹以上とか……罠には気を付けよう、うん。
でも、あの金髪デ……ポッチャリさんが言うことも一理ありそう。あの人は多分わたしのイトコの同類だ。二次元に全てを懸けちゃってるような人だ。きっとSAOを始める前に色んな情報を集めてたんだろうと思う。わたしのイトコも、そういうのに無駄に時間を注ぎ込んでたのを覚えている。
うわぁ、奴のことを思い出したら目の前の金髪デ……ポッチャリさんのこと、なーんかムカついてきたぁ……。
「……つぅことは何だぁ? 強ぇモンスターがうじゃうじゃってことか?」
話を聞いていた赤髪ロンゲさんがデ……ポッチャリさんに訊いた。
「っ……そ、それは解らない。だけど、SAOの難度決めた奴がドSってのはベータやってた奴ら
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