SAO編
第一章 冒険者生活
3.後ろではなく
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どもども、お久しぶりッス!
わたし、チマこと筑波 佳奈美でございますッス。
さて、何か変なことになってきましたッスね。
村長さんの話を聞こうとして、村長宅に来たのはいいんだけど、何故かそこに居たのは十人以上ものプレイヤーたち。
そして、それに驚くわたしらの後ろから現れた「魔物の群れです!」と叫んだ中年のおっちゃん。
何と言うか、ネリーの言ったとおり、冒険な臭いがぷんぷんしてきたッスねぇ……。
「……魔物の群れ、じゃと? どういうことじゃ、ドルマン」
リビングに犇くプレイヤーの人たちの後ろから、髪やら髭がフォッサフォッサのお爺ちゃんが現れた。多分このお爺ちゃんが村長なんだと思う。頭のカーソルの下に【NPC】ってあるし。
「は、はい。先ほど、狩りをしていたウルジが魔物の群れがこちらに向かっているのを確認したそうです。報告によるとあと二時間ほどでこの村に到着すると……」
「な、何ということじゃ……っ」
中年のおっちゃんとフォサフォサのお爺ちゃんが何か深刻そうに話している。すっごく真剣そうなんだけど、第三者的な位置から見てるとお芝居っぽく見えていまいちシリアスになり切れないよね。
そんなことを考えていたら、お爺ちゃ……村長さんが室内のプレイヤーを見渡して言った。
「……申し訳ありませぬ、冒険者の方々。此処に集まって下さったのも何かの縁。どうか魔物の群れからこの村を守っては頂けませぬか?」
言い終わると同時にお爺ちゃんの頭の上にピコリンと金色のハテナマークが現れる。
【クエスト:エウリア村防衛】
えー、まっさか〜……。
「…………レイド……クエスト……なのか?」
「?」
今まで驚いて黙っていたプレイヤーの一人、灰色髪オールバックの盾剣士のお兄さんがボソッと呟いた。
「レイドクエストだぁ?」
オールバックさんの横に居る赤髪ロンゲ槍使いの柄悪いお兄さんがリピートアフタヒー。
その言葉にオールバック盾剣士がお爺ちゃんから目を離さずに頷く。
「《大規模戦闘クエスト》。複数のPTで挑むこと前提の大規模クエストだ。大規模というわりには人数が少ないが……。恐らく今の状況から考えて、正午ちょうどに村長の家に約二十名のプレイヤー、もしくは4パーティー以上が集まることでこのフラグが立つ……ということかな」
「ちょっと待てよっ。第一層にレイドはボス戦以外に無かったんじゃないのか? 少なくともベータじゃ無かったって聞いたぞ?」
オールバックさんの影に隠れて見えない人が言った。
「いや……だが、もうSAOは変わった。今ならベータじゃ無かったことがあっても不思議じゃない
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