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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜慟哭と隔絶の狂想曲〜
荒くれ狼
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た子犬とじゃれあってたっけか、さっきまで」
クックック、と。
それでも《凶獣》は嗤う。
心の底からの、負の意思を声に乗せて。
嗤う。
背後の集団たちが、それに呼応するかのようにガシャガシャと己の装備を打ち鳴らす。
不快な不協和音が、夜の森に響き渡る。
「いい加減見せてみろよ、お前の狂気。でねェと俺ァ――――」
グッ、とノアの全身に力が入るのが見て取れた。
―――来る!!
傍らにいるリータを、半ば突き飛ばすようにして距離を取らせる。
「思わず殺したくなっちまうぞォ、クソガキィィッッッ!!!」
ゴッッッッッ!!!!!!!!
小惑星同士の衝突にも似た衝撃波が、辺りに撒き散らされた。
心意と心意のぶつかり合い。
システムを、世界の理を根本から覆していく。
「一つ訊きたい!わざわざ馬鹿正直にここに残った理由は何!?」
「ンなこと決まってンだろォがァ!"面白いから"!それが俺の行動理由だ!」
横薙ぎに振るったレンの刃を、しかしノアは受けずに前かがみ、まるで陸上選手がスタート時に取るクラウチングスタートのような体勢で避けきる。
その背後からは、目立つモヒカン頭の男が
鉈
(
なた
)
を振り下ろそうとしていた。
「――――――――――ッッ!!」
―――コイツらッ!?
鉈のように《叩き切る》武器は、レンの短刀のような《切り裂く》武器でマトモに受けたら折れてしまう可能性がある。
だからレンは下手に受けて体勢を安定することを選ばず、素早く上半身を仰け反らせ、その運動エネルギーを使って大きく後転した。さわさわとした草地を手のひらが捉え、頬に熱い感触が通り過ぎる。
ザザザッ、と草を撒き散らして制止したレンの頬から、一筋の血液が垂れた。
チラリと見、チッと舌打ちをする。
―――コイツら、相当《集団での戦い》に慣れてる…………。
例えば、戦闘の中では『コイツを倒したら終わる』的なメンバーがいる。典型的な、というかほぼ全ての例がリーダーなのだけれど。
しかしこの集団――――【
狂った幸運
(
ドラッグ・ラック
)
】は違う。個に極端に頼らず、絶えず中心というものが移動している。剣戟を交わしていた相手が、瞬きをした次の瞬間には別の相手にすり替わっているのだ。正直言って、やってられない。
リータがいる以上、デカい心意合戦は行えない。この集団をまとめて吹っ飛ばせ………はできないかもしれないが、かなりの人数が戦闘続行不能になるのは確実だ。しかしそれだと、いくら距離を取っているとはいっても後ろのリータにまで衝撃波が撒き散らされる事になってしまう。
かといってリータ個人でこの場から離脱してもらうという事もできない相談だ。万が一逃走中に捕縛さ
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