第五章
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、後楽園において大騒動が起こっていた。
「あんな審判では信用できませんわ、審判を代えてくれまへんか!」
あの温厚な上田が激昂していた。彼は左翼のポール下で執拗に抗議を繰り返していた。
ことのはじまりは六回裏であった。ヤクルトの攻撃である。打席にはヤクルトの主砲大杉勝男がいた。投手は足立光宏。彼はアンダースローから投げた。
大杉のバットが一閃した。打球は左翼スタンドに高々と上がった。
「入ったか!?」
皆打球の行方を見守る。大杉もバッターボックスで見ている。
ヤクルトベンチが一斉に出て来た。皆打球から目を離さない。
足立は彼等の動きと打球の動きを見ていた。打球はレフトポールの上の辺りを越えてスタンドに入った。
それを見たヤクルトのベンチは皆帰っていった。足立はそれとボールを見て顔を打席にいる大杉に戻した。
(ファールやな)
彼はそう思っていた。だが線審の手が回ったのだ。
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