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。どうして、知っておきながら蒐集したの!?』

待て待て待て。彼女の話が事実だとすれば、ルシルはわざと民間人から、しかも管理局と関わりのある者から蒐集したことになる。そんなことをすれば否応なく管理局に目を付けられるだろうに。判らない。かつての主、オーディン以上に読めない。ルシルの心の内が。
彼は一体何を考え、目指し、事を成そうとしているのだろうか。主はやての未来を守りたいのではないのか? どんな返答をするのかと胸が苦しくなるような思いでいれば、「決まっている。はやての為だ」とルシルは簡潔に、それが当然であるとでも言うように即座に答えた。

『八神はやての・・・?』

「そう。俺が描いているシナリオは全てはやての未来の為だ。まぁ少々強引、それに悲しませるような思いをさせているけど、それは最高の結果の為。過程である今は少し辛いだろうけど耐えてもらうしかない」

(ルシル。お前は本当に一体何を見ているのだ?)

「ありがとう、リーゼアリア。心配してくれているんだな」

『んなっ? べ、別に心配しているわけじゃないわよ! ただ、そっちが捕まったことで父様に迷惑を掛けないでほしいっていうだけよ! 伝えたからね! 父様の為にも負けたら承知しないから!』

怒り、もしくはテレ隠しか、その大声を最後に彼女の声は途絶えた。通信が切れたのだろう。と思えば、『おっと、あともう1つ報告があったんだった』と続けた。

『あなた達の捜索・逮捕を担当するアースラからリーゼ(あたし)達に、闇の書の情報を集めるよう協力要請が来たんだけど。どうする?』

「どうするって・・・、受けるしかないじゃないか。断ったら変に思われるだろうし」

『そうじゃなくて。どこまで集めさせていいのかって話よ。あなた達にとって知られたくない情報だってあるんじゃ――』

「無い。そんなものは無いよ、リーゼアリア。隠す必要も無い、嘘を吐く必要も無い、包み隠さず、納得のいくまで情報を集めさせてオーケーだ。遅かれ早かれいずれは辿り着く真実の扉。そうだな、12月25日。その日までには辿り着いて、ノックをし、扉を開け、知っていてもらわないと。闇の書の抱える真実を」

『・・・そう。じゃあ、怪しまれない程度に手伝うわ。それじゃあね』

今度こそ通信が切れたのか静まり返るルシルの部屋。私は「ルシル。いま良いだろうか」扉をノックしながら呼びかける。

「シュリエル? どうぞ」

「失礼する」

入室を促されたことで私は部屋へ入り、ベッドに腰掛けて自身の周囲にいくつも展開されているモニターと睨めっこしていたルシルを視界に収める。

「もしかして、聞いていたりしたか今の」

「あ、ああ。・・・ルシル。お前の心の内はどうなっている? 先の子供たちのことを知っていた
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