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不可能男との約束
男女の綱引き
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あえずこの調子だとさっきまでの雰囲気は終わりだろうと思い、ふぅ、と思わず息を吐いて力を抜いてしまう。
そこにいきなり背後から抱きついてくる柔らかさがあった。
喜美だ。

「良かったわねぇ浅間。もやもやした状態から進展があって。もっと喜んでもいいのよ?」

「何がですか。単純に遊びに行くだけです。デートっていっても幼馴染としてですよ」

「あんたと一緒にいたいと言われても?」

「一緒にいたいと言われただけです」

「ククク───いいわ浅間」

何がいいというんだこの狂人はと思うが何も言わなくても勝手に続きを語り始めた。

「いいわ浅間。ちゃんと自分の価値を解っている女は素敵よ。そうね、あんたはもっと言葉を貰える価値がある女だものね。下手糞な愚剣の拙い言葉だけで満足するには全く足りないわ。もっと本気の言葉じゃないとね?」

流石は狂人の理屈だ。
聞いていて意味不明なので後ろの狂人の腕は外して何かを食べようと箸を伸ばそうとして

「浅間? そこは空よ?」

「……」








「……」

「……」

碧とハクは先程までの光景を全て見届けた上で碧は恐る恐る視線を別のほうに向けた。
その視線の先には浅間神社の尊はまた違った巫女服を着た小柄な少女であり、髪を後ろに纏めて尻尾のように揺らしている

「その……留美さん?」

「Jud.何ですか?」

微笑でこちらを見てくる人に対して言える言葉を持っていない時点で私って語彙が足りていないなぁ、と思う。
まだ決定的な言葉を発してはいないがそれでもあの雰囲気を見て何も感じないほど女も捨てていなければ馬鹿でもない。
時間というか切っ掛けの問題という雰囲気の二人に自分の先輩格で尊敬していると言ってもいい人に何かを言うのは侮辱みたいなものだろうか。
そういった経験が全く足りていない私には何かを言うことが世間一般ではどういう風に捉われるか解らないので語りかけておいて考え込むという状況になる。

……うわぁ〜。

何を言えばいいんだろう。
大丈夫ですよ? なんだその根拠のない言葉は。
しっかりして? 何様だ私。
いい人は他にもいますよ? 最低な言葉じゃないか私。
あうあ〜〜! と思わず内心で頭を抱えて悩みこんでしまう。
この周りにいる先輩とかを見習うべきなのだろうかと思うが、周りにいる先輩は先程の光景を録画して即座に通神帯に乗せたり、商品にしたり同人のネタにしたりしている。
駄目だ。レベルと次元と住む世界が違う。
というかうちの神様死ぬんじゃないだろうか。まぁいいや。馬鹿だから死なないだろう。

……じゃなくて!

都合よく現実逃避する頭を抱えてうがぅ〜〜と悩む。
駄目だ私……と軽く鬱になりそうな所をちょっと
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