男女の綱引き
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ま胸の前で指を絡めてもじもじしている。
可愛いわねぇ、と思うがこれ以上の行動は野暮だろう。
間女など趣味ではないのだ。
「え、ええと……シュウ、君?」
浅間は必死に今の自分を抑える。
喜美のお蔭で多少思考能力を取り戻したのでパニックにはならずに済んでいる。
だがやはり今の自分が上がっているというのは自覚している。
声が微妙に裏返っているし、顔も熱い。
視線を彼に合わせようとして微妙にずれていることも。
何故かホライゾンが両腕で"もっと! もっとテンション!"と指図をしている。どういうレベルのジェスチャーだろうか。
軽く摩訶不思議だが気にしている余裕はない。
「その……どうして私と?」
「ああ? 何を言ってんだ智」
何を変なことを言っているんだという調子でこちらを見るシュウ君に思わずぞくりする。
もしかして自分は自分の都合がいい風に解釈をして彼からしたら変な風に緊張をしているように見られたのかと。
でもそれは杞憂であった。
「俺がお前を選ぶのがそんなに不思議なことか?」
「……あ」
ごく普通に彼は私といるのは当たり前であると答えてくれた。
少し言葉としては物足りないというのが素直な気持ちではあったのだけど、正直にこれでいいやと思ってしまった。
自分で言うのもなんだけどちょろい自分である。
もう少しちゃんとした言葉を貰ってから喜ぶべきであると内心では理解しているのだが性格がこれで十分ですと納得している。
単純な性格ですと思いまだ顔が赤いとは思うが口は多分微笑の形になっているとは思う。
とりあえず慌てないようにコホンとわざとらしく咳をしてから息を整えてから
「楽しませてくれるなら、まぁいいですよ?」
「あ!? 俺がお前を楽しませれないようなデートコースを考えると思ったのかよ!? 残念だぜその信頼レベル! 俺はこんなにもお前を楽しませようとしているというのに……!」
「いや語られましても」
「いーーや語るね! いいか! 俺は──」
突然隣に現れたホライゾンがいきなり彼の鳩尾を貫く剛腕を振りぬいた。
かっ……とやばそうにせき込みをした後、その後バタリと崩れ落ちた。
思わず全員、無表情でその光景を見てしまうがホライゾンはふぅ、と一仕事を終えたと汗を拭きながら
「熱田様……そんなに叫んだら唾が焼肉に飛んでしまうではないですか」
「ホライゾン! ホライゾン! 愚問かとは思うのですが副長不要論ですの!?」
「不要だなんてそんな事は言ってません──ただ汚いと」
剛速球という言葉を魔法陣に書いてこちらに見せてくれナルゼがいるがこっちとしては突然の空気のカットに戸惑ってリアクションが取れないので何も言えない。
とり
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