SAO編
第一章 冒険者生活
2.怒涛
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、俺の目の前に現れたのは、俺よりも体の大きい紫色の巨大なトカゲだった。
俺の後ろ、少女の右方からは「ねねね、ネズミッス!」「は、はやっ!?」という声が聞こえる。
俺はトカゲの頭に突きを放ちながら声を上げた。
「動きが速い敵を相手にするときは、その動きを制限させるような位置をとれ!」
あの三人は意外と物分かりが良い。これだけ言えば、後は自分たちで考える事が出来るだろう。
「……ハッ!」
しかし、心配は心配だ。出来るだけ早くこちらを終わらせるとしよう。
目の前のトカゲは動きもそんなに早くは無い。その姿勢ゆえにトカゲは頭から向かって来ることしか出来ないみたいだ。注意しなければならなさそうな場所は鋭い歯の並んだ口ぐらいか。だが射程の長い槍使いの俺は、余裕を持って目や首などの弱点と思わしき場所に攻撃が出来る。
攻撃力が無い分は数を当てることでカバーし、七度目の攻撃が当たってようやくトカゲは光に消えた。
「レイア、そっち!」
「うんっ」
後ろを見るとちょうど三人がモンスターを倒すところだった。ルネリーとチマに追い込まれた敵は、レイアの一撃により倒れた。
「ふいー。何とかなったッスね」
「ちょこまかと動きが速いのは初めてだったから、ちょっとビックリしたよー」
「……うん。ちょっと焦ったよね」
三人は疲れてはいないようだったが初めての敵に困惑した、と言ったところか。
だが今の敵がこの森で出てくるモンスターの全てだとは思えない。俺は三人に注意を促し、再び周囲を警戒しながら歩き出した。
それから二時間程経った現在、あれから俺たちはモンスターの引切り無しの襲撃に遭っていた。
「――後方二匹、来るぞ! 前方二匹は俺がやる……!」
何度も連続で襲われる状況が続いたため、結構時間は経っているが、歩みは全然進んでいないような気がする。
今まで俺たちの前に現れたモンスターは三種類。
額に10センチ程の角を生やした、体長70センチ強の焦げ茶色の巨大ネズミ型モンスター、《ホーン・ラットル》レベル3。
体長2メートル強の紫色のトカゲ型モンスター、《フォレスト・リザード》レベル3。
体長1.5メートル程、幅2メートル程の球根に大きな口と花が付いたモンスター、《プレデット・バルブ》レベル4。
これらのモンスターは、一匹一匹はそれほど強いという訳ではない。
《ホーン・ラットル》は動きが早く攻撃が当たり難いが、攻撃力の高い角攻撃にさえ気を付けていればソードスキルを使えば一撃で倒せるほどにHPも防御力も低い。
《フォレスト・リザード》は背後からの攻撃に弱いようだ。小回りが利かないようなので、一人が正面に立ち、もう一人が背後から攻撃すれば
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