第124話 董卓上洛
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と。自らの力で敵部隊を蹂躙し、後方に続く味方の兵が混乱した敵部隊に止めを刺すというもの。凄く単純な策だけど普通の将には無理な芸当よね。恋と一緒でしょ? 黄巾の乱のおりも数万の大軍に対して自ら先駆けして打ち破ってるわけ。人間業じゃないの。わかる?」
陳宮は賈?の話を聞いて半信半疑の表情だった。一軍の将が先駆けなど危険極まりない策を行使することは通常ない。先駆は敵部隊と一番最初に激突し真正面から敵の攻撃を受ける死線に最も近い場所といえる。この場所に総大将が立つことで味方の兵を鼓舞し戦意を高揚させることにつながるが、総大将が敵に討たれれば味方は総崩れになる。このような諸刃の剣ともいえる策を幾度となく実行する人物は馬鹿か鬼神の如き武力を持っているかのいずれかである。だが、鬼神の如き武力を持つ人物であっても愚策に変わらない。それが総大将の立場なら尚更である。
「劉正礼とは馬鹿なのですか?」
陳宮が賈?に素っ頓狂な表情で言った。
「あんたね〜。恋も馬鹿の一人なんだけど。でも、劉正礼の場合、総大将だから一部将の恋と比べれば確かに馬鹿だわね。ところで音々音、私が恋とあんたのお陰で、どれだけ頭が痛いか分かってる?」
賈?はジト目で陳宮を見て、恋に視線を移した。
「何を言うのです! 恋殿と私は水魚の交わりの如き連携で敵を討ち滅ぼしているのです。劉正礼などと一緒にしないでください」
「五万の兵が篭る城に一人で潜入して城外に追い出すのが並みの人間な訳? 五万の内数万は劉正礼の手で討ち取られているのよ」
「噂には尾ひれが付く者ですぞ」
陳宮は賈?の言葉を批判した。
「私もそうなら、こんなに悩まずに済むんだけどね。この情報は私の放った素っ破が集めた情報なの。情報源の中には黄巾の乱時に劉正礼の軍に所属して、乱後に冀州から洛陽に帰還した兵から入手したものもあるから、まるっきり外れている訳じゃないのよ」
賈?はうんざりという仕草をして陳宮に答えた。
「なんと!」
陳宮は賈?の話に口を丸くして驚いた。
「恋殿には適うわけないですぞ!」
「恋に適う適わないなんてどうでもいいのよ。劉正礼の家柄、地位、名声、武威、財力、軍事力が問題な訳! あの男は皇族でないけど、高祖の血筋で斉王の末裔であり漢の宗室。一族の中からは三公の者も輩出したれっきとした名族なわけ。そんな叩き上げの名門に首輪も付けず野放しなんてできるわけないでしょ」
「劉正礼は中央に興味はないのでありませんか?」
「中央に興味があるなら、私達みたいに兵を率いて上洛しているはずなんだけど。でも、地方で兵をかき集めているんだから最終目的は私達と一緒と思う」
「天下?」
賈?は陳宮の問いかけには何も答えなかったが肯定するよ
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