第124話 董卓上洛
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に耐えながらも必死で周囲の気配を探る。その時、張遼の側近と思われる兵が表情を変え駆け寄ってきた。
「鮮卑の軍です! 鮮卑の先方隊と思しき騎兵一千が西方より我部隊の横腹をついてきました。更に、その後方と東に砂塵を発見しましたので直に本隊が来ると思われます。このままでは我らは挟みうちにあいます」
側近の知らせに張遼は動揺した。
「鮮卑やと!? 東は袁本初捕縛のための兵じゃないのんか?」
「迫る軍の牙門旗は『満』と『無』です。恐らく味方は全滅と思われます。また、物凄い速さでこちらにむかっております」
「東のは鮮卑やないな。劉正礼軍かわからんけどまずいな。ウチらの兵を討伐したのなら少なくとも敵やろ」
張遼は鈴々への攻撃を避けながら鈴々との距離を取った。しかし、鈴々は張遼を逃すまいと距離を詰めてきた。
「ちょい待たんかい、チビ!」
張遼は鈴々に怒声を向け鈴々を制止するや馬の元に走り股がり鈴々を睨みつけた。
「チビじゃないのだ! 張飛だと言っているのだ」
「将軍、砂塵の大きさからして東五千、西三千とみます。残念ですが袁本初の捕縛は諦めるしかありません。直ぐに撤退の号令を!」
鈴々の攻撃を受ける張遼の表情が険しいものに変わり頬を一筋汗が伝う。
「じゃかしい! 言われんでもわかってるわ! 本当ついてないわ」
「逃がさないのだ!」
鈴々は張遼が逃げるを感じ、それを阻もうと飛びあがり彼女に大きく斬り掛かった。辺りに轟音が響き渡った。張遼は厳しい表情で鈴々の渾身の一撃を受け止めていた。
「張飛て言うたな。勝負はお預けや。いずれまた今度勝負しような」
張遼は鈴々を払いのけ戦線を離脱するために馬を腹を叩いた。鈴々は弾きとばさら地面に膝をつき、張遼を睨みつけた。
「待つのだ!」
張遼は一瞬だけ鈴々に笑みを浮かべ、戦場の喧噪の中に響き渡る大音声で董卓軍兵士に命令を出すや鈴々の前を去った。
「引き上げや!」
その後、張遼率いる董卓軍は鮮卑と劉正礼軍の反撃を受け崩壊、張遼は僅かの兵を引き連れ洛陽へと帰還した。鮮卑と劉正礼軍は崩壊した董卓軍が司隷州の州境を超え撤退するのを確認するとそれ以上の追撃は行なわなかった。
洛陽宮廷??????
賈?は宮廷内に与えられた部屋の中を沈黙したまま落ち着き無く歩き回っていた。この部屋の中には賈?以外に一人の幼女と女の子がいた。幼女はウグイス色の髪、黒を基調にしたコートに身を包み、頭にはコードの同系色の帽子を被っている。彼女の名は陳宮。もう一人は張譲を誅殺した現場にいた恋と名乗った女の子。彼女は袋一杯に入っている肉饅頭を小動物のように美味しそうに食べていた。彼女の名は呂布。
「詠殿、落ち着か
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