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路地裏の魔法少年
第1部その3:友達思いなのはお互い様じゃね?
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き込まれたらそれこそアウツである。

 俺はそう思った。
 だが、ウィルはそうじゃなかった。

 ≪お前さん、何様のつもりだ?≫

 砕けた口調から一転、今まで聞いた事の無い程の真面目な口調でウィルは短く言い放つ。
 冷徹な雰囲気を醸し出すウィルの言葉に俺は思わず背筋を強張らせると、ウィルは少し間を置いて俺に語り始めた。

 ≪お前さんが一人で何でもやるとか考えてるならそれこそお笑い(ぐさ)だぜ、他人を巻き込みたくないっつーお前さんの気持ちも分からなくは無いがよ、だがな、お前さんは何でも出来る英雄(ヒーロー)なのか、違ぇだろうがよ、私に言わせりゃ単に魔法が使えるガキだ、一人じゃ何も出来ない一端(いっぱし)のガキが出来る事なんてタカが知れてる、もっと周りを頼れ、そしてもっと周りを信用しろ、それは逃げじゃなくて信頼ってヤツだ、巻き込むとかそんな下らねェ話で奴らのハートを踏みにじるな、『覚悟』ってのは人其々あるんだぜ?≫

 いつに無くコイツは饒舌で、それでいて熱かった。

 ≪ついでに言っておくがな……良く居るんだよ、自分から「協力する」っつってくたばったヤツを「自分の所為だ」つって逃げに走るヤツ…………俺に言わせりゃアホ臭ぇ話だと思うぜ。老若男女少なからず『覚悟』ってモンがあるんだからよ、それに従ったヤツに責任を感じる事も無けりゃ、ましてや守ろうとなんて思う事も無い、守るなんて考えるならその前に襲って来る敵をブッ飛ばす事だけ考えれや、少なくとも敵をブッ飛ばす事だけは得意だぜオジサンは≫

 (あ…ああ)

 ≪別にお前さんだけの話じゃ無ぇからな、よくある話だって事だ。ちょーっと力を持っただけで勘違いしちまうヤツのな。…………確かに闘いには力が必要だろうがよ、覚悟ってのはもっと重要なんだぜ、それで戦況が覆っちまうくらいにな。……で?……どうなんだお前さんの『覚悟』の方は?≫

 所々嫌味ったらしいのがムカつく所だが、ウィルの言う事、つーかウィルの気持ちってのが何だか分かった気がした。
 「守ろう」とする気持ちは大切だ、だが守ろうとする者にも「守りたい」ものがあるし、力になりたいと思う気持ちがある。
 要するにさっきの『俺と啓太』『高町さんと彼女二人』のちょっと規模がデカくなったバージョンだ。
 互いに思っている事は一緒なんだ、だったらその気持ちを尊重するのも決して悪い事では無い。

 確かに危険かも知れない。
 でもそんな事は重々承知なんだ、それに危険な事があるのならその前に俺達がその危険をぶっ潰せばいいだけの話。

 いかにも馬鹿っぽい考え方だが、何を隠そう俺は馬鹿だ。
 嫌いじゃないぜそんな考え方……。


 「ちょっと、いつまで待たせる気なのよ!?」

 ウィルとの念話を終えると目の前に
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