第1部その3:友達思いなのはお互い様じゃね?
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つーか俺としては、貴女に待たれたく無いってか出来れば会いたくも無いんですが……。
そう思いながら俺は隣に居た啓太の方をチラリと見る。
「ななななななななんの用でありますかな、おじょじょじょじょお嬢様がた……」
ヤバいトラウマがプレイバックしやがってんぞコイツ。
金的OKのムエタイの試合みたいに見事なへっぴり腰でもって、カミカミになりながら、それでも紳士的対応を持って接せんとするお前の気持ちは汲むが、それにしたってキモイを通り越して怖いぞ今のお前。
「お嬢様じゃ無くアリサで良いわよ、アリサ・バニングス、なのはからも聞いているでしょう?」
何故か「なのは」を強調して俺を睨み付けるバニングス改めアリサさん。
まぁ名前は聞いてるよ、名前は……後の事は貴女がアメリカの実業家の娘さんでめちゃんこ金持ちって事くらいしか知らんけど。
「始めまして、私は月村すずかと言います、すずかと呼んで下さい」
「ああ、こりゃどうもご丁寧に……俺は日野槍一って言います、で、隣の過呼吸になってんのが五十鈴啓太です」
アリサさんとは全く対照的な態度でもって自己紹介し始めるすずかさんに、俺は思わずペコペコと頭を下げながら答えた。
何つーか本当真逆だなこの人達、と俺は思った。
あと啓太お前ビビり過ぎ、自律神経に異常を来すなよ、まぁお前が静かな方がこの世の為ではあるが。
「……それで、アリサさんとすずかさんは俺達に一体何用でせうか?」
とりあえず俺はそう言って彼女達の出方を窺うことにする。
つっても、まぁ何となく彼女達が俺達の行く手阻んできた理由に察しは付くが……。
「それはアンタ達が良く分かってるんじゃないかしら?」
「あー、何となくだが……高町さん関係?」
「その通りよ」
あ、やっぱり。
そう言や、この子達高町さんの親友だもんね、粗方最近付き合いの悪い高町さんを怪しく思っての事なんだろうけど、一体どこから情報が漏れ出たのか……。
俺は今日までの行動を顧みて、情報漏洩に繋がりそうな事柄をピックアップしてみる。
だが、集合場所はチョクチョク変化するし、現地集合現地解散だし、そもそも練習中はいつもユーノが対人センサーみたいに魔法を使って監視しているのに一体全体どうして彼女は俺達と高町さんに接点がある事が分かったんだ?
「何で分かったの?」
なので俺は正直に聞いてみる事にした。
「簡単よ、何となくそうじゃないかと思って聞いてみたらアンタが正直になのはの名前を出しただけ。まさかこんな簡単な手に引っ掛かるなんて思ってもみなかったけど」
自慢げな表情でそう語るアリサさん、畜生俺の墓穴じゃねぇか。
やっぱ聖祥大付属小の子って頭良いんだな。
「さ
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