第1部その3:友達思いなのはお互い様じゃね?
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居るアリサさんは「うがーっ」と両手を上げて呻っていらしてた。
それを宥めるすずかさんはやっぱりいい人なんだろう、つーか高町さんとすずかさんがアリサさんのストッパーなんだろうな絶対。
「ゴメン、少し覚悟を決めてた」
俺はそう言うと顔をアリサさんの方へ向けて彼女の翡翠のような瞳を真っ直ぐ見つめた。
「か…覚悟って何よ一体?」
一歩後ずさりながらアリサさんは尋ねる。
いや、別に俺は貴方をどうこうするつもりは無いんですが……。
そういう反応されると少々傷つきますよ俺の心が。
という冗談は置いといて、彼女達に話そう。
本当の事を。
「これから、本当の事を話そうと思う……信じてもらえるかどうかは分からないが、実は俺達……」
と、俺がいつに無く真面目な顔をして口を開いていた時にそれは起こった。
慣れない事をしたのが理由だったら、俺は神様のケツにウィルをねじ込んでやろうかなマジで……。
俺達の前に現れたのは一台の白いワンボックスタイプのライトバン。
親父の会社で見かけるハイ○ースの型が一個新しいヤツだった。
いいなぁ新しいハ○エース、荷物いっぱい詰めるし……。
……じゃ、無くてよ。
俺が大事な話をしようと思っていたのに何だこの野郎と思っているのも束の間、後部のドアが勢い良く開かれるとそこから割とガタイの良いオッサン達が4人飛出し俺達の型をガッシリ掴むとそのまま無理くり車内へと引き摺り込んで行った。
「え!?ちょ!?な、何これ!?」
「嫌ぁッ!!離しなさいよ!!」
「ッ!!」
「……ふぁ?ってオイコレ何すか!?え?一体何があったの!?」
各々が言葉を発したり発せなかったり。
つーかお前は今まで宇宙を旅していたんだね、どうりで静かだと思ったよ、お帰り啓太。
なんて考えてる場合では無いぞ!
一体全体これはどういう事だい!?
つーか俺達が何したよ!?
誰か出てきて説明してくれよ!?
俺は必至で足をバタつかせて抵抗するが、そこは大人の力、全く歯が立たない。
あれよあれよと言う間に俺達四人はライトバンの中にぶっこまれ、バタンとドアが閉められるとそのままエンジンを呻らせて車が走り出した。
これアレですか?
ひょっとして、ってか、ひょっとしなくてもアレですか?
「こ……こ……」
ガッシリと押さえつけられながら、それでもおれは叫んだ。
「こりゃ拉致だよ!!」
願わくば啓太の脳裏にモジャモジャ頭の道産子タレントが浮かびますよう。
そして願わくば行先が国内でありますよう。
そしてそしてこのオッサン達が何者なのか分かりますよう……。
とりあえず
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