第3章 聖剣の影で蠢くもの
第24話 リアス・グレモリーの憂鬱
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ぬ婚約は解消された。実力も示した。
だが、現実として、彼女の燃え上がりかけた恋心は、沈静化している。
なぜなら、恋心を塗りつぶすだけの大問題が眼の前にあったからだ。
「『夜天の書』か。はやてとの付き合いも長いのよね。もう、7年は経ったかしら」
リアスとはやては、サーゼクスを通じて早くから出会っていた。
第一印象は、「普通の女の子」だった。
はぐれ悪魔に両親を殺され、たまたま宿していた神器に命を救われた少女。
ちょうど9歳の誕生日だったと聞いて、思わず同情したことを覚えている。
1つ年下の彼女を、リアスは出来る限り気にかけ、仲良くなろうとしていた。
しかし、はやてとの距離はなかなか埋まらず――いまだにどこか壁を感じさせる。
彼女がリアスを嫌悪して避けているわけではない。
いつもクールだが、礼儀正しく接していた。
恩義を感じ、あれこれと協力を申し出てもくれた。
(一見すると深い仲にみえる。でも――)
長いつきあいのリアスだからわかる。
はやては、気さくに付き合っているようで、一線を踏み越えることは決して許さない。
未だ、グレモリー家の「客人」という立場を崩していないことからも、その姿勢は明らかだ。
「今までなら、問題なかったのよね。けれど、レーティングゲームで注目を浴びてしまった。私でさえ、あそこまで強い力を持っているなんて知らなかった」
明確な所属を明らかにしていない強い力を持った存在――脅威を覚えても仕方がない。
仮に、天使や堕天使の陣営に組みすれば、大きな障害となるだろう。
だからこそ、彼女の兄サーゼクスは、魔王として庇護においたのだから。
決して善意のみからではない――悪意のみでもないが。
「実際、不死身であるはずのライザー・フェニックスを打ち破った」
彼女のオリジナル魔法だという闇の魔法。
攻撃魔法をその身に取り込むという狂気の魔法だが、その分性能も段違いだ。
レーティングゲームで見せた氷結魔法の連打は、上級悪魔でさえ再現不可能だろう。
ライザーは、以前とは見る影もなく意気消沈していると聞く。
不死性ゆえに、どのような攻撃をくらっても平然としていられた。
本物の「死」を体験したことで、自信を喪失したのだろう。
絶対の自信をもっていた「不死性」が破られたのだから、無理もない。
(いい薬になったでしょうね。慢心さえ捨てれば、彼の実力は本物よ)
観戦に来ていた他の上級悪魔たちも、多かれ少なかれ驚愕していた。
予想以上の力をもった『夜天の書』の存在が、公に曝されたのだ。
神滅具にも、匹敵する可能性のある新たな神器の登場。
その所持者である「八
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