暁 〜小説投稿サイト〜
『八神はやて』は舞い降りた
第3章 聖剣の影で蠢くもの
第24話 リアス・グレモリーの憂鬱
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ぬ婚約は解消された。実力も示した。
 だが、現実として、彼女の燃え上がりかけた恋心は、沈静化している。 
 なぜなら、恋心を塗りつぶすだけの大問題が眼の前にあったからだ。


「『夜天の書』か。はやてとの付き合いも長いのよね。もう、7年は経ったかしら」


 リアスとはやては、サーゼクスを通じて早くから出会っていた。
 第一印象は、「普通の女の子」だった。
 はぐれ悪魔に両親を殺され、たまたま宿していた神器に命を救われた少女。
 ちょうど9歳の誕生日だったと聞いて、思わず同情したことを覚えている。
 1つ年下の彼女を、リアスは出来る限り気にかけ、仲良くなろうとしていた。
 しかし、はやてとの距離はなかなか埋まらず――いまだにどこか壁を感じさせる。
 彼女がリアスを嫌悪して避けているわけではない。
 いつもクールだが、礼儀正しく接していた。
 恩義を感じ、あれこれと協力を申し出てもくれた。


(一見すると深い仲にみえる。でも――)


 長いつきあいのリアスだからわかる。
 はやては、気さくに付き合っているようで、一線を踏み越えることは決して許さない。
 未だ、グレモリー家の「客人」という立場を崩していないことからも、その姿勢は明らかだ。


「今までなら、問題なかったのよね。けれど、レーティングゲームで注目を浴びてしまった。私でさえ、あそこまで強い力を持っているなんて知らなかった」


 明確な所属を明らかにしていない強い力を持った存在――脅威を覚えても仕方がない。
 仮に、天使や堕天使の陣営に組みすれば、大きな障害となるだろう。
 だからこそ、彼女の兄サーゼクスは、魔王として庇護においたのだから。
 決して善意のみからではない――悪意のみでもないが。


「実際、不死身であるはずのライザー・フェニックスを打ち破った」


 彼女のオリジナル魔法だという闇の魔法。
 攻撃魔法をその身に取り込むという狂気の魔法だが、その分性能も段違いだ。
 レーティングゲームで見せた氷結魔法の連打は、上級悪魔でさえ再現不可能だろう。
 ライザーは、以前とは見る影もなく意気消沈していると聞く。
 不死性ゆえに、どのような攻撃をくらっても平然としていられた。
 本物の「死」を体験したことで、自信を喪失したのだろう。
 絶対の自信をもっていた「不死性」が破られたのだから、無理もない。


(いい薬になったでしょうね。慢心さえ捨てれば、彼の実力は本物よ)


 観戦に来ていた他の上級悪魔たちも、多かれ少なかれ驚愕していた。
 予想以上の力をもった『夜天の書』の存在が、公に曝されたのだ。
 神滅具(ロンギヌス)にも、匹敵する可能性のある新たな神器の登場。
 その所持者である「八
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ