第十一章
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決まった。ダメ押しだった。これで山口は打ち砕かれた。
山口は崩れ落ちた。さしもの速球王もこれで終わった。阪急黄金時代を支えた守護神が今ここに打ち砕かれたのだ。
二勝。近鉄はこれで王手をかけた。しかも切り札山口を打ってである。
「けれどまだまだ油断はできへんな」
観客達は大阪球場をあとにしながら話していた。
「ああ、何といっても阪急の打線は凄いからな」
阪急を支えていたのは山口だけではなかった。その打線もまた凄かったのである。
「だけどここまで来たら勝ちたいな」
その中の一人が言った。
「ああ、西本さんの久々の胴上げが見たいな」
その中には阪急ファンもいた。皆西本が好きだったのである。
第三戦は西宮球場で行なわれた。近鉄の先発はあの村田である。対する阪急は稲葉光雄である。
「安心して行って来い」
梶本はマウンドに向かう稲葉に対してそう言った。
「今の御前やったらあの連中を抑えられる」
彼は稲葉を落ち着かせる為にもそう言ったのである。
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