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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第70話 竜鬼
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っ!”と数m退く。赤いエストックから解放されたヨルコとカインズがその場にふらふらと膝をついた。
その後、2人を退かせたPoHは、リュウキ・キリトを一頻り見ると。
「……黒と白。貴様らは、貴様らだけは……いつか必ず地面に這わせてやる。あの時以上の苦しみを与えてやる。……貴様らの大事なお仲間の血の海にゴロゴロ無様に転げさせて、その白黒の2種に赤を追加してやるから期待しといてくれよ」
悪意の塊の様な声を発する。リュウキは、それを軽く受け止めると。
「……オレに恨みがあるというのなら、直接、オレに来いよ……。来る勇気もない三下が生意気いってんじゃねえ……。所詮はお前は三流だPoH」
負けずと劣らずの迫力を持ってPoHの言葉を跳ね返すが如くだった。
「……楽しみだ。貴様の顔をゆがめるのは……くっくっく……」
そう一言だけ最後に言うと……。巨大な肉切り包丁をを指の上で器用に回すと腰のホルスターに収める。黒革のポンチョをばさりと翻し、悠然と丘を降りてゆく頭首に続く二人。
毒ダガー使いのジョニー・ブラックは、先ほど言っていた攻略組が気になるのか、やけに足早に立ち去って行き、赤眼のザザだけは、その場で振り返り2人の方をじっと見ていた。その髑髏マスクの下で妖しく光る両眼を二人に向け、囁く。
「格好つけが……。次はオレが馬でお前らを追い回してやる」
「なら、練習をしておくんだな。見た目ほど簡単じゃないぜ?」
キリトはそう還した。
「確かにな……。オレも馬を交通の手段にはしたくない」
それはリュウキも認める難易度のようだった様だ。ザザはそれを聞くと、舌打ちをしながらリュウキを睨みつける。
「ケッ、テメーはオレとキャラかぶってるんだよ。……その眼、いつか抉り取ってやる!」
「……楽しみにしてる。これる度胸があるのなら、な。……
あの男
(
・・・
)
にも伝えておけ」
ぎりっ、と歯を食いしばるザザ。それ以上は何も言わず、しゅうっ……っと低い呼吸音だけを残して、消え去っていったのだった。
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