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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第70話 竜鬼
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認すると、辺りを視渡す。中には馬乗りになり、討伐組に剣を突き刺すものもいた。
HPをどんどん奪って逝く。
それを視たリュウキは、最短で、素早く、正確に そして、何より無情に、扇状に極長剣をスライドさせた。
そして、そのたった一撃がラフコフのプレイヤー3人の命を奪った。鮮やかな硝子片となって、周囲に飛び散る。その時の、あの感触は今でもリュウキの手に残っている。
――……この手で人を殺めてしまったという事実と共に。
だが、リュウキは考えなかった。一瞬で4人ものメンバーを失った笑う棺桶のメンバーはこのときは流石に動揺を隠せなかった。
リュウキはその瞬間を逃さない。
『……お前らの相手はこの俺だ。お前らに《牢獄》なんて生温い。全員纏めて《地獄》に送ってやる』
この時、リュウキの眼が変わっていた。それは赤い瞳。血の様に赤く……表情は正に鬼と呼べるものだった。そう、鬼が生まれた瞬間だった。
その後は討伐組はリュウキに触発されたのか、彼に続くような形になった。
そして、討伐組の内、シデンを含めた4人。
笑う棺桶は10人のプレイヤーが消滅した。
合計で14人もの命がこの場で消え去った。……内、リュウキがプレイヤーを消滅させたのは6人。死亡者の半数以上はリュウキが仕留めたものだった。あの姿を見て、さすがの笑う棺桶のメンバーも動揺を隠せず、総崩れになりかかっていたのだ。元々は奇襲で、討伐隊を血祭りにあげる予定だったはずだが、1人の男に全てを潰された。
それを見た頭は早々に逃げの一手を打って出たのだ。何人かは、死なずに牢獄へと送られたが、その中にはPoHは勿論、幹部クラスの者達はいなかった。
……この後。
リュウキは、暫くその場に立ち尽くしていた。自らの手で消滅した命。いや、他のメンバーもそう。敵味方問わず。彼らは現実では恐らくもう既に脳を焼かれ真の意味で目を覚まさなくなってしまっただろう。
……誰かの命を奪ったという逃れられない事実、現実。いくら相手が、残虐なプレイヤー、何度も快楽で人を殺めているような人間だったとは言え……。それはリュウキの心に深く傷を与えていた。
リュウキは、その場を動かなかった。……動けなかったのだ。
そして、暫くして ゆっくりと天を仰いでいた。そして、無表情のままに、涙を流していた。
VR世界だと言うのに、考えて出た涙じゃない。細かな感情を読み取ったのだと思えるが、それでも……
まるで 現実世界での、本物の涙のようだった。
心が壊れかねない状況。それを救ったのは仲間たちだった。
リュウキはその後、討伐隊の皆に、そしてキリトに支えられながら場を後にした。彼がみんなを救ったも同然だから。もっとこちらが殺られても
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