第9話
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の攻撃があるということ。
確かに、昼間、敵の真ん前で堂々と築城などしよう物なら敵の奇襲を受け、一貫の終わりだろう。
問題はいつ、どうやって築城させるかが問題である。豊臣秀吉が最初に武功を上げる墨俣築城…。
ここは、俺が手を貸す他ないか…。
竜司「少し…いいかな?」
先程まで黙っていた竜司が口を開く。
すると、久遠を含め、この部屋にいる全ての者が俺に視線を向ける。
久遠「どうした竜司。何か意見があるのか?」
竜司「その墨俣築城戦…俺がやってやろうか?」
久遠「………何だと?」
竜司「俺に考えがある。もしかすれば…うまくいくかも知れん」
壬月「阿呆ぅ。素人が何をぬかす。貴様が考えているよりも、遥かに困難な任務なのだぞ?」
和奏「そーだそーだ!ちょっと強い…じゃなかった、ちょっとだけ腕が立つ…でもない、ちょっと調子に乗れるからって調子に乗るなよー!」
雛「和奏、そのツッコミ意味がわからない…」
犬子「まぁでも言いたいことは分かるかなー。和奏らしいツッコミだと思うよ?」
和奏「うっせー、お前らちょっと黙ってろってば!」
雛「はーい。けど竜司君、なんでまたそんなことを?」
竜司「まぁ、何故失敗するのか、その原因がわかっているということだけ、今は言っておこうか。後はその原因を無くすための一手を打つ。それだけだ」
麦穂「どういうことです?」
竜司「今は言えん。が、もしやらせてもらえるのなら、成功させるための策は考えてあるから、後は下拵えと仕上げだけだ。それにそろそろ勝っておかないと、久遠の名に傷がつくのは必定。その点俺はまだ、世間に名は知れ渡っていない。言わば弱卒以下の存在だ。よほど、尾張に間者が居ない限りはな。そんなやつが成功させれば、久遠の評判も上がる。俺はそう踏んでいるがな」
久遠「…竜司」
竜司「どうする?久遠」
久遠「やってくれるか?」
美濃の蝮斎藤道三から譲り受けた、美濃譲状…それを現実にしたいという意思が搾り出した久遠の言葉から読み取った竜司は、力強く頷いた。
竜司「任せろ…!と言いたいところだが、俺のこと…信じられるか?」
久遠「正直わからん。…しかし我らとは違う考え方を持つお前なら、あるいは出来るのではないかと思えるのだ。だから我はお前に賭けようと思う。…頼まれてはくれぬか?」
竜司「…(もしかしたら…初めてかもな…久遠がこんな弱気になっているのを見るのは…)」
ならば、成し遂げる理由がもう一つ増えた。
そう思った竜司は戦う覚悟を表する。
竜司「まぁ俺から言い出したことだ。言動の責任は取る。墨俣築城戦…必ず成功させるとしよう」
ひよ子を養い、ひよ子がひよ子の
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