第9話
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そうだろうか?」
ひよ子「私とは身分も大きく離れていますし、あの…こんなこというのはよくないんでしょうけど、私、正気、和奏様が苦手なんです」
竜司「それは、ひよが和奏の外側だけをみてたからじゃないのか?そいつが苦手だから相手にしたくない。会いたくないって気持ちは、人間としては当然ある。俺もそうだったからな。けどだからといってそれで、その人のことを理解しようともせず、怯えてるだけでは何も変わらない。苦手意識があるのなら、もっとその人を理解して、その人が何を考えているのか、何を伝えようとしているのかをしっかりと捉えなければ、何も始まりはしない」
ひよ子「そ、そう言うの、私にできるでしょうか…」
竜司「誰だってできることだ。だから少しずつでいいから、和奏や他の三若、壬月、麦穂、そして帰蝶や久遠のことをしっかりと見て、相手がどうしたいのか、何を考えているのかをしっかり見定めることだ。そうするのはまず、恐怖心を捨て、普通に接してみろ。そうすれば相手も気兼ねなく、君に接してくれるし、君も話しやすくなるはずだぞ」
ひよ子「はぁ〜…そんな風に考えたこと、今まで一度もありませんでした。じゃあ、あの…頑張ってみます!」
竜司「その意気だ。ゆっくりと頑張っていこう」
ひよ子「はい!」
すると、和奏が評定の間の襖から出てきて。俺たちに近付いて来た。
和奏「おーい!聞いてきてやったぞー!猿も評定に出て良いってさ!」
竜司「すまない!助かった。っというわけだ、ひよ。ともに評定に出るとしよう」
ひよ子「はい!」
和奏「御目見得が許されたってことは、これから特別に評定に出られるってことだからな?ボクのことは先輩なんだから敬えよ、猿!」
ひよ子「はい!」
竜司「…(やれやれ。しかし、女の子に猿はないよな…仕方ない。ここはひとつ…)」
和奏「どうした竜司?」
竜司「いや、それより、何故ひよを猿と呼ぶんだ?通称を交換していないのか?これから共に評定に出るんだここはお互い通称で呼び合わないか?」
和奏「それはわかってるけどさー。ボク、猿の通称、直に教えてもらってねーもん」
ひよ子「あ、あの!木下藤吉郎、通称ひよ子です!これからよろしくお願いします!」
和奏「ひよ子って何か弱そうな通称だな。…まぁいいや。ボクは和奏。佐々内蔵助和奏成政!これからよろしくやってやるよ、ひよ!」
ひよ子「はいっ!」
和奏「という訳で、ボクについてこい猿!」
ひよ子「はいっ!」
竜司「やれやれ…」
結局猿に戻るんだな…。
まぁこれでひよ子が和奏に対して恐怖心を覚えることはなくなったかな…。
そんなこんな思いながら、俺達3人は評定の間へと足を運んだ。
評
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