第9話
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てお慕いさせていくというのじゃ…駄目ですか?」
竜司「ふむ…まぁ今はそれでいいさ。ゆっくり、少しずつ慣れてくれればそれでいい」
やはり、身分の風当たりが強いせいか、心を開くのに時間がかかりそうな気がした。
勿論俺は、そう言う身分がどうの、出生でどうのというつもりはないが、こういうのも時代の流れなのだと思う。
竜司「便りにしているぞ。ひよ」
ひよ子「はい!あの私。精一杯頑張りますね、お頭!」
満面の笑みを浮かべ、俺の横へ駆け寄ってくるひよ。
これで少しは、身分の差はなくなったかとホッと一息する竜司。
竜司「ひよは武士になるために久遠に仕え始めたんだよな?」
ひよ子「はい!私、生まれも育ちも貧乏でして。立派な身分になって家族を養いたいなって」
竜司「なるほど…でも最初は違うところにいたんじゃないか?」
ひよ子「そうなんですよねぇ。久遠様に仕える前は、松下之綱様にお仕えしていたんですけど、私、武士に向いてないって言われまして追い出されちゃって、で、丁度久遠様が台所役を募集していたのでそれに応募したら受かっちゃいまして」
竜司「なるほど…今川の…松下嘉平殿か…」
ひよ子「お頭は、之綱様を知っているんですか?」
竜司「まぁあったことはないんだがな…今は隠居なさってるのか?」
ひよ子「さぁ…私が久遠様に仕官するまでは、義元様にお仕えしていらっしゃったはずですけど、田楽狭間以降はなんとも…」
竜司「そうか…すまない。忘れてくれ」
ひよ子「…?」
竜司「まぁ、気にしないでくれ。…しかし、俺に仕えても出世ができるとは限らないぞ?」
ひよ子「それは…どうなんでしょう?久遠様には何かお考えがあるようでしたけれど…」
竜司「現時点では何も分からずか…はぁ、まぁ仕方ないか…わからないなら考えても仕方ないし、今は久遠を信じるしかあるまい!その上で、君が武功を立てられるように考えるとしようか」
ひよ子「えええっ!?竜司様はそのままでいいですよぉ!これ以上、ご恩を施して頂くのは忍びないです…」
竜司「部下の責任は上司の責任。部下が困っているなら上司が一肌脱ぐ。それに君の家族を養いたいんだろ?」
ひよ子「はいぃ…あの私、出世して妹を取り立ててあげて、一緒に泰平の世を築くのが夢なんです!」
竜司「素敵な夢だ…そのためにはならまず、問題を一つ一つ片付けて、どんどん武功を上げないとな」
ひよ子「お頭ぁ…ありがとうございます]
竜司「礼には及ばない。それにこれからひよには沢山働いてもらうんだ。勿論俺も働くけど…とりあえず、城へ急ぐぞ」
ひよ子「はいっ!」
ひよ子と共に清須の城門を潜り、城内へ入る。
すると、至るとこ
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