第9話
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戦国†恋姫 外史に飛ばされし者
第9話
久遠の屋敷で行われた、織田家中の模擬戦も一段落つき、俺は、部屋の襖を開けて一休みしながら天幕を片付けるのを眺めていた。
そこに、ひよ子こと木下藤吉郎ひよ子秀吉が茶を持ってやってきた。
ひよ子とは、田楽狭間から尾張へ向かう途中に自己紹介を終えており、その時に、ひよ子と呼ぶことを許された。
ひよ子「失礼致します!お頭!お茶をお持ちしましたー!」
竜司「あぁ、ありがとう。あとお頭じゃなくて、俺のことは竜司で構わないんだが?」
ひよ子「い、いえいえ!これから私のお頭になるんですから、お頭と呼ぶのは当然のことです!」
竜司「はは。でも君は元々久遠の草履取りだろ?急に主が変わって困惑してるのではないか?」
いくら久遠の夫となったとは言え、急に押し掛けてきた見ず知らずの者が新しい主だと言われれば、混乱するのは普通のことだろう。
ひよ子「心配してくれてありがとうございます!でも武士になるのは夢でしたし、今私の夢が一つ叶っちゃいましたし、それにそれに、こんなすごいお方にお仕えすることができるんですから!私は幸せです!これからたくさん頑張っちゃいますよぉ!」
竜司「元気があってよろしいことだ。なら…」
すると竜司が姿勢を正す。
そして、ひよ子も俺に習い、同じように姿勢を正し、正座をして両手を自分の前に置き、俺の方を向く。
竜司「では改めて、竜司隊組頭三上竜司。これよりに我が配下として木下藤吉郎ひよ子秀吉に我の補佐役に任命する。貴公のこれからの活躍に期待する」
ひよ子「は、はい!改めて木下藤吉郎ひよ子秀吉と言います!お殿様より、竜司様のお世話を命じられました!今後とも、よろしくお願いします!あっ私のことはひよと、今まで通りお呼び捨てになさってください!」
ひよ子がそう言うと、お辞儀をする。
木下藤吉郎秀吉…豊臣秀吉といえば、知らぬ者はいないだろう。
墨俣一夜城の建造から始まり、金ヶ崎の退き口、高松城の水攻め、中国大返し、石垣山一夜城など、次々と功績を立て、戦国一の出世頭と評された人物。
天下人であり、三英雄のひとり…には今の時点では見えないが、この子には人を惹きつける何かがあるのかな…
竜司「…(この子が後の太閤秀吉とは…誰も思わないだろうな)」
ひよ子「あの?竜司様…?」
無言のままに考え込む竜司にひよが顔を覗かせる。
竜司「あぁ、済まない。少し考え事をしてしまったようだ?」
ひよ子「は、はぁ…どんなことを考えてらしたんですか?」
竜司「竜司隊を発足したのはいいんだが、部隊の隊形とかどういう位置になるのかなって。俺達はまだ二人しかいない。俺はともかく、ひ
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