第38話。変人の異変。
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「ええ親友です。」
な・・なん・・・・だと?と言いたげな凛ちゃん。どうした?
「晋吾。いるか?」
「お?一成か。どないしたん?」
ドアがノックされたと思ったら一成がやってきた。
「むっ。校内に猫を上げたらいかんだろ。」
「一成堪忍やー。足は拭いてやったさかい」
ほらーと猫さんの足を見せてやる。
「はぁ、まぁいい。今大丈夫か?ちょっと生徒会室まで来て欲しいのだが」
「ほいほい。お呼ばれされましたか。」
猫さんを俺の椅子の上にのせ、ちょっと待っとれと言うと、首をコクりと頷かせる。
「じゃ、ちょっと俺行ってくるわ」
「あっ、わかりました」
こうして二人になった部室。
「・・・・先輩が言うマブってなんのことだと思ってました?」
「・・・・友達以上恋人未満のことかと思ってた」
ずーんと落ち込んだ様子の凛。これを見ればよほどの鈍感でなければ普通は気づく。
「それは、恋人関係になれればと思ってた。と言うことですか?」
「べっ、別にあいつとなら付き合ってもいいかなーって思わなくもあったりなかったり・・・・」
語末に行くほどに声が小さくなる凛。
「あったんですね?」
「別に・・」
「あったんですね?」
「・・はい有りました」
桜の謎の圧力に負ける凛。
「・・先輩がお姫様みたいな女の人と会っている話って知ってます?」
「なによそれ」
「逢い引きみたいだったと商店街では有名な話ですよ?」
「・・・・嘘」
「ほんとですよ」
にっこり笑う桜。艶があるその笑みに何故か負けた気がする凛。
「・・・・実はですね。私、恋をしてるんです」
「・・だからなによ?」
「遠坂先輩も知ってる人ですよ?士郎さん」
「士郎くん!?」
知ってるも何も昔からの知人の名前に驚く。はからずも弟である。あいつの。・・ふと頭に浮かんだ顔は無理やり消した
「賭けをしませんか?」
「賭け?」
「私と士郎さん。先輩達。どちらが早く付き合うか?」
またもや色のある笑みを浮かべる血のつながった妹に、なにやら負けた気がするも、この場は無視することに決めた凛であった。
「ニャ〜」
空気を読んだように、黒猫は会話の切れ目で一つ、鳴いた。
「捨ててきなさい!!」
「そんな殺生な!?」
黒猫さんを連れて帰ったら姉ちゃんにメチャメチャ怒られた。なんでや。
「こないにかわええやないか。飼ってもええやないか」
「ちちち近づけないで!!」
フッー!と威嚇する姉ちゃん。お前が猫か。
どうやら姉ちゃんは猫嫌いな様子。あれか、同族
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