『三十二話』〜名前を呼んで……もう呼んでるけど〜
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そういってプレシアが、頭を下げてきた。
「なにも言わなくていい。俺がやりたいから勝手にやった。助けを求めていたからつい手差し伸べた。それだけだ」
そう言ってあさっての方向に顔を向ける。
「プレシア。お前はもう一度幸せを手に入れた。二度と手放すなんてバカなことするなよ」
「えぇ。もちろんよ。それとこの子からも話があるみたいよ?」
「ん?」
そう言ってプレシアの視線の先を見ると、アリシアが、
「あ、あのね、お母様とフェイトとアルフとリニス。みんなを助けてくれてありがとう!」
そう言って笑ったアリシアの笑顔はまぶしかった。俺なんかじゃ絶対に与えられるものでもないと思っていたものだから。
「あぁ。どういたしまして。お前も幸せになってくれよ。じゃないと怒るからな」
そう言って頭をクシャッと撫でながら微笑み返す。
「う、うん///!!」
ん? アリシアの顔が赤くないか?
[またか……]
何言ってるんだソウル?
その時、フェイトが私を呼んでいたので、そちらに向かう。
「もういいのか?」
「うん。フェイトちゃんとお友達になろうっていったの」
「今さら感があるんだが、俺の気のせいか?」
「ううん。そんなことない。気持ちでは友達だったけど。声にしてちゃんと言ったから。これで、ちゃんとした友達」
なのはもフェイトも満足そうだ。これはこれでいいんだろうな。
「拓斗君も友達だよね」
………え?
Tomodati……トモダチ……ともだち……友達?
「俺が……友達?」
「いい、かな?」
友達…俺に……友達?
「拓斗君?」
「拓斗?」
「っ!……な、なんだ?」
「えっと、いきなり黙り込んだからどうしたのかなって……」
「な、なんでもない……それで……えっと……」
「「?」」
「俺が、友達で……いいのか?」
俺がそう言うと二人は顔を合わせて、そして
「「もちろん!!」」
二人は笑顔で頷いた。
そうか、友達か……
「そっか……なら、」
俺は懐から首飾りを取り出した。
「フェイトにお守りとして渡そうと思ってたんだけどな……友達の証に受け取ってくれ」
差し出した首飾りは稲妻の形をした魔力結晶がついている。
これは家に戻ってから造り出した俺作の首飾りだ。
魔力を集めて結晶化した物に魔力障壁などのいくつか魔法が刻んである。
使うことは無いと思うが保険にな。
「綺麗……本当にもらっていいの?」
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