『三十二話』〜名前を呼んで……もう呼んでるけど〜
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【戻ったら、本当に生き帰ることができるの?】
「あぁ、保障する」
【わかった! じゃあよろしくね!!】
そう言って霊体――アリシアが体の中に戻っていく。
……よし、ちゃんと戻ったな。なら、始めるとするか。
今から始めるのは士郎の時に行ったことの再現だ。
まずは俺とアリシアを囲うように魔法陣を展開する。
「我 魂を誘いし者也
この者 まだ死にゆく運命(さだめ)にあらず
この者 未だ果たすべき運命に有り
汝が魂、再び器に宿りて生を成せ!」
瞬間、アリシアを漆黒の光が包み込む。
光が治まると、体には変わったところは何も見られないアリシア。
しかし、
「よかった……成功したみたいだな」
胸が呼吸により上下運動しているのが分かる。成功した証だ。
「じゃあ、次に行くか」
蘇生しただけで終わりではない。他にもやることはある。それは
「姉が妹より幼いのは嫌だろうからな」
身体年齢をフェイトと同じくらいがいいだろう。
アリシアの身体を灰色の光で包み込む。
「時の巫女よ 不変の流れよ 今ここに此の者の一時を 時の流れを流れを速めよ 『時速流』」
光が治まるとアリシアの姿は同い年ぐらいになっていた。
……うん。時間操作魔法はずっと使ってなかったが、うまくいってよかった。
「これでよし……アリシア、起きろ」
そう言いながら頬を軽く指でつつく。
なんで体を揺するのではなく頬をつついているかは………気分だ。
「う…うぅん……はれ? 私、戻ったの?」
「あぁ、元通りにな。年齢はフェイトに合わせておいたが」
「え! 本当!?」
アリシアは勢いよく起き上がるが………
「はれ?」
バランスが崩れてベッドに倒れた。
無理もない。今まで死んでいたんだ、筋力が衰えているもあるが体が動かし方を忘れている………しばらくはリハビリだろうな。
「いきなり起きるからだぞ。車椅子は……ないな」
周りを見渡すが、医務室の何処にも車椅子は見当たらない。医務室ならせめて一つくらい置いておくのが常識だろ。
「ないの?」
「あぁ、ないな……仕方ないか………よいしょっと」
「へ、ちょ!? 何してるの!?///」
「何って……お姫様だっこだが?」
今言った通り、今俺はアリシアを所謂お姫様だっこしている。
「は、離して!!///」
「でも、車椅子がないからこれしかないぞ?」
「お。おんぶとかあるでしょ!?//////」
「あ、そうか」
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