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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 04 「強くなりたい」
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単に決めるテスタロッサは、あの月村とも良い勝負をしそうである。
 ふたりはしばらく打ち合っていたが、体育苦手宣言をしている高町の体力が切れてしまい中断。高町は肩で息をしながら座り込んでしまう。一方テスタロッサは、息は切れているようだがまだ余力があるように見える。
 ふたりの姿を見て、俺の中にある気持ちが芽生えていた。その気持ちに従って、俺は高町の傍へと近づいていく。

「はぁ……はぁ……あれ? はぁ……どうかした?」
「ちょっと棒貸してもらっていいかな?」
「え……あぁ、うん」

 高町から棒を受け取ると、軽く振ってみる。
 ……ファラより軽いな。まあ木の棒だから仕方がないか。
 高町から少し離れ大きく息を吸って吐いた後、無声の気合と共に一閃。風を切る音が周囲に響いた。俺の行動が意外なものだったのか、高町とテスタロッサの目は見開かれている。

「テスタロッサ」
「え、はい」
「まだやれるなら、今度は俺とやらないか?」

 さらに彼女の目が見開かれた。普段の俺からすれば、自分から訓練をしようなどと誘わないため当然だとも言える。
 正直に言って、彼女達と親しくなるのには俺の中の抵抗が強すぎる。余計なことを考えてしまって思考の渦にはまるだけ。でも強くなりたいということだけは深く考えずにやれる。
 このふたりの姿や心意気が刺激になったのも理由だが、こんな俺でも傷つけば悲しむ人がいる。悲しい顔はさせたくない……1名ほど無表情にしか見えない奴もいるが。
 それに……負傷するとなれば、傷つける人物はきっとあいつらだ。協力関係を結んでいても戦場で出会えば、関係がバレないように戦うしかない。そこで俺が負傷すれば、あいつらは自分を責める。だからせめて、自分を守れるくらいには強くならなければ。

「……喜んで。ショウとは一度手合わせしてみたかった」

 テスタロッサは嬉しそうな声で凛とした表情を浮かべた。優しい性格の持ち主だが、訓練などになると好戦的のようだ。彼女と模擬戦をしたならば、真剣勝負に近いものになるかもしれない。
 俺は、右手に握った木の棒をぴたりと身体の正中線に構えつつ返事を返した。

「お手柔らかにお願いするよ。俺は君よりも弱いから」
「ショウは自分で思ってるよりも弱くなんかないよ」
「俺のこと守ってくれるとか言ってた気がするんだけど?」
「ぅ……」

 言ってしまってから自覚したが、こういうところが高町の言ういじわるなところなのかもしれない。
 言葉足らずというか、俺は根本的に同年代よりも人と話す経験が足りてないんだろうな。シュテルに聞いたら率直に不器用だって言われそうだ。

「今度は守って……!」
「その必要はないよ。自分の身は自分で守る。君だって人のことを気にして勝てるほど、あの人たちは甘く
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