As 04 「強くなりたい」
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んじゃ……!」
「だ、大丈夫だよなのは!」
「……はぁ」
「フェイトちゃんはともかく、ショウくんのため息はおかしいんじゃないかな?」
「いや、おかしくは……」
言い切る直前、俺の脳裏にある考えが過ぎった。
高町は敏感なところもあるが、魔法の資質のように敏感に感じるもののバランスが偏っているのか、異性に対することや自分に対しての好意に鈍いところがある。
他人とあまり深く触れ合わない俺が言うのも失礼かもしれないが……でもユーノの好意には俺だけでなく大抵の人間が気づいている気がする。しかし、向けられている本人は気が付いていない。
「……あぁ、そうだね。悪かったよ」
「う、うん……謝られてるのに失礼なことを言われてる気がするのは、私の気のせいなのかな?」
「気のせいだよ」
「……ショウくんに言われると、そうじゃない気がしてならないんだけど」
高町は疑いの眼差しをこちらへ向けている。彼女の俺に対する反応は、クロノやユーノに対するものと違うように感じる。
高町がこのような反応をするのは、俺がふたりに比べて言葉足らずだったりするからかもしれないが……。
「純粋に相性ってこともあるかもな……」
「ねぇ、今何て言ったの? またいじわるなこと?」
「君は俺をそういう人間だってことにしたいの? 俺はただ、君と親しくなるのは現状が限界なのかなって言っただけ……」
言い終わる前に高町はこちらへ近づいてきた。俺の目の前に立った彼女は、俺の両手を包み込むようにして握ると真っ直ぐな瞳を俺へと向ける。
「何で今の状態が限界だって決めるの。私はショウくんのこともっと知りたい。仲良くなりたいよ」
俺は真っ直ぐな言葉に思わず目を見開いたが、すぐに視線を逸らした。
仲良くなりたいと言ってもらえることは、正直に嬉しいと感じている。でも俺には、過去に負ってしまった心の傷がある。
高町は強い。でもヴィータに負けて怪我をした。彼女は再びあいつらと出会ったら、必ず戦う道を選ぶだろう。あいつらははやてのために、繋がりのある俺でさえ消そうとしたほど必死だ。邪魔をするのならば、次は容赦しないかもしれない。
親しくなればなるほど、そのときに受けるダメージは大きくなる。それが俺は怖い。
他人が傷つくのも嫌だけど、結局のところ自分が傷つくのを一番恐れている。俺は……臆病者だ。
いや、それだけじゃない。
俺はシグナム達とのことを誰にも言っていない。はやてのことを考えての行動ではあるが、彼女は他人を傷つけてまで自分が助かろうとは思わないし、自分のために他人が傷つくのを良しとしない。それを理解しながらもシグナム達の行動を黙認するのは、彼女を死なせたないから。ではなく、結局は自分が傷つきたくないからなのではないか……。
そ
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