SAO編
第一章 冒険者生活
1.林檎と少女
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ら円型盾を、腰からスモールソードを抜いてキリュウさんの指し示した方向に走り出した。
「……レイア。一応付いて行ってくれ」
「あ、はいっ」
後ろから、キリュウさんがレイアにあたしの援護をしろとの指示をしているのが聞こえる。
この辺りのモンスターならあたし一人で余裕だとは思うけど、油断大敵といつもキリュウさんに言われているから別にそれに文句は無い。
でも、レイアが来る前に倒しちゃっても大丈夫……だよね。
――あ、モンスター視認っ!
キリュウさんから20メートル程の場所。背が高めの草むらを抜けた先に、一匹の大きな犬が居た。
ズングリした茶色の毛、大きな爪、光の無い眼、むき出しの黄色い犬歯に垂れ流しの涎。
……結構な犬好きだと自負しているあたしだけど、あれはイヤだなぁ。
「はぁぁ……《識別》スキル、発動っ」
初めて見るモンスターだったので、あたしはその犬から少し離れた草むらの影から、モンスターの情報を得る為に識別スキルを発動させる。別に声を出さなくてもいいのだけど、そこは気分の問題だ。
頭の中で「シュピーン!」と効果音を出しながら、あたしはその犬を凝視した。
『モンスター名《ストレイ・ハウンド》:レベル2 HP308 攻撃的モンスター』
大型犬そのまんまなモンスターの頭上のカーソルがある場所に、簡単な情報が付け足される。
まだまだあたしは《識別》スキルの熟練度が低いため、この程度しか情報が出ない。
「ストレイ・ハウンド……か」
「――直訳すると《はぐれた猟犬》。……この場合はそのまま《野犬》って感じかな?」
あたしがモンスターを観察していると、レイアが来てしまった。……いやまあ、来て欲しくなかった訳じゃないんだけどね。
「レベルも低いし、楽勝だよねっ」
「……でも、爪や牙には気を付けないと。変な特殊効果がある場合もあるってキリュウさんも言ってたでしょ?」
おとと、そうだった。
キリュウさんは、準備期間中に街の図書館で調べたモンスターのことなんかを、あたしたちに丁寧に教えてくれた。その中で、この世界で出てくるモンスターは低レベルの奴でも毒や麻痺、金属腐食などの特殊能力を持っている奴もいるので、色々と注意が必要だということを聞いたことがあった。そして、そういう特殊能力を持っているモンスターは、大抵がその外見から予測できるとも言っていた。例えば、蛇型モンスターは牙に毒を持っている場合が多いし、口の様な器官の有る植物型モンスターは腐食液や溶解液をそこから吐き出す場合も有るらしい。
ようするに、らしいモンスターにはらしい特殊効果があるんだと、あたしは認識した。
そうすると、目の前
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