第二章
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は終わった。そして戦いがはじまった。
まずは日本ハムが攻撃を仕掛けた。二回裏鈴木から一点をもぎ取ったのである。
場内は喚声に包まれた。大沢はそれを聞きながらほくそ笑んだ。
「幸先がいいぜ。まずはうちが先制だ」
だが西本は動じなかった。九番の吹石徳一がツーベースを放った。
これを見た大沢が動いた。そして審判に告げた。
「ピッチャー、木田」
これを聞いた後楽園の観衆が一斉に喚声をあげた。木田はその中をゆっくりと進んだ。
「もう出て来たか」
西本は木田の姿を見て呟いた。そして投球を見ていた。
「成程な」
彼は木田を丹念に見ていた。心なしか木田は疲れていた。
やはり今まで投げ過ぎたのであろう。新人でありながら大車輪の活躍でチームをここまで導いてきた。その疲労が限界にまできていた。
「普段の木田やったら打てんところやがな」
彼はそこでベンチにいる自ら育てた選手達を見た。
「今やったら打てる。こいつ等やったらな」
だが木田も踏ん張った。二死をとり三番の佐々木恭介を迎えた。
佐々木は西本に心酔していることで知られていた。特にその打撃指導をよく教わりそれを最も積極的に学んでいた。褌をはきかっては相撲もしていた古風な男だ。そしてその左投手に対する強さは有名だった。
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