TURN132 一騎打ちその十
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「間違いなく」
「そうですね、では」
「祖国殿、行きましょう」
秋山は強い声で日本に告げた。
「勝利に」
「そうしましょう。ところで参謀総長」
日本は秋山の言葉を受けた、それと共にだった。
彼にだ、あることを問うたのだった。その問うたこととは。
「この戦争が終わったらですが」
「はい、何でしょうか」
「長官が言っておられましたが」
東郷、彼がだというのだ。
「そろそろ身を固められてはと」
「結婚ですか」
「そのことについてどう考えですか?」
「ううむ、そのことについては」
秋山はこれまでは確かな顔であったが今は微妙な顔だった。その顔で日本に対して答えるのだった。
「どうも」
「考えておられないですか」
「実は」
そうだというのだ。
「軍務のことは考えてきましたが」
「ご自身のことはですか」
「どうも」
「しかし参謀総長もお年頃ですし」
結婚する時期だというのだ。
「今は中将ですね」
「はい」
「では余計に」
それなりの立場だから余計に身を固めねばならないというのだ、立場のある者は身を固めねばならないというのだ。
「そうされては」
「ですか」
「そういえばです」
ここで日本はこうした話もした。
「山本大将と古賀中将ですが」
「お二人がですか」
「はい、戦争の後で結婚されるとか」
「それは何よりですね」
「本当に、ですから」
秋山もだとだ、日本は言うのだ。
「そうされては」
「とはいってもお相手が」
「お見合いをされては」
「それですか」
「参謀総長ならどなたかが」
絶対にいるというのだ。
「女性の方々に人気もありますから」
「そうなのですか?」
「そうです、真面目で理知的な方として」
このことは日本の言う通りだ、秋山は確かに臣民の若い娘達から任期がある。優秀で生真面目な人物としてだ。
「ですから良家のご令嬢で」
「ううむ、どうしたものか」
「本当にどなたかとです」
日本はまた言う。
「身を固められては」
「そうですね、やはり結婚しなければ」
「よい家庭を持つことも軍人の務めですね」
「そう教えられてきましたしそうも考えています」
その通りだとだ、秋山も日本に答える。
「ですから」
「ではお考えになって下さいね」
「そうさせてもらいます」
秋山は落ち着いた声で日本に答えた、そしてだった。
二人のところに日本妹が来た、そのうえで二人に言うのだった。
「お兄様秋山さん、今からです」
「はい、何でしょうか」
「どの件でしょうか」
「艦隊のドッグ入りのことですが」
修理、そのことだった。
「どうされますか」
「はい、それでしたら」
秋山がすぐに日本妹に答える。その声は冷静なものだった。
「まず
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